『嵐の王』
「「ヒャッハー!!」」
グルソンとゲルソンの奇声が響き渡り、『森の導き』と『風犬の尻尾』の戦いが始まった。
開始早々、短剣を抜いたグルソンが地を蹴る。
「直線的な動きね」
ルウは魔双剣を抜くと、首元めがけて突き出された短剣をひらりと躱す。
ルウは隙を狙い、反撃の一文字切りを決めようとするが、グルソンは驚異的な反射神経でそれを外す。
「殺意マシマシじゃねえか!! ヒャッハー!!」
「あなたこそ」
激しく斬り合う2人。
その後ろでは、ゲルソンとサーナが弓を構えている。
「助太刀するぜ!! ヒャッハー!!」
「邪魔はさせないよ!!」
ゲルソンの撃ち出した矢を、的確に撃ち落すサーナ。
「やるじゃねえかオイ!!」
「モヒカンさんこそ!! 2人の位置が入れ替わって命中させるのすっごく難しいのに!! ばっちりルウちゃんを仕留めにいってるじゃん!!」
ルウを狙うのは難しいと判断したのか、ゲルソンは狙いを変えることにした。
ゲルソンは走り出し、サーナとの距離を詰める。
「邪魔するならよォ!! まずはてめえから仕留めるぜェ!!」
「望むところだよ!!」
サーナとゲルソンは弓から魔法の戦闘に切り替える。
「俺の風魔法は、痛いじゃあ済まねえぜェ!!」
「私の火魔法も熱いじゃあ済まないよ!!」
激しくぶつかりあう、風と火の魔法。
魔法を得意としているエルフというわけで、魔法の威力はサーナのほうが上である。時間の経過と共に、ゲルソンの顔から余裕が消えていく。
「あっちちち!! すっげえ熱さだぜオイ!!」
「ふっふーん!! 焼きモヒカンさんにしちゃうんだからね!! 覚悟してよね!!」
「うぎィ、イカしたモヒカンが焦げちまうぜェ……グ、グルソンゥ」
徐々に押されてきてはいるが、なんとか耐えながらグルソンの方に視線を送る。
しかし、グルソンも苦戦しているようで。
「わりィ、俺もやばいぜヒャッハァ……このエルフくっそつええ」
「ふふん、少しずつ肉が削がれているわよ。モヒカンのケバブってところかしら」
「余裕ぶっこきやがってよォ」
グルソンは苦悶の表情を浮かべ、ルウから距離を取ろうとする。
そんな時、1人の男が動き出す。
「弟たちじゃァ、ちと厳しいかァ」
刹那、ルウの表情が変わる。
グルソンに蹴りを入れて距離を取ったルウは、サーナに呼びかけた。
「サーナ!! こいつはやばい!!」
「え?」
ゴルソンによって、大剣が振るわれた。
その大剣より現れた竜巻は地面を抉りながら直進し、サーナを飲み込んだ。
「まずは1匹ってかァ」
「ああああああああああああああっ!!!!」
骨が折れたのだろう、バキッバキッという鈍い音。
竜巻に巻き上げられた岩の破片により、全身を切り裂かれるサーナ。
「サーナをよくも……!!」
力なく倒れ込むサーナ。
グルソンとゲルソンを無視し、ルウは一直線にゴルソンを仕留めに行く。
「2匹目行くかァ」
「出し惜しみなんかしていられないわね!! 魔剣解放――『イグニストリクス』『アクアストリクス』!!」
「火と水の魔剣かァ。いいもん持ってんじゃねえかァ。だが、その程度で俺の相棒が止められっかァ?」
「はああああああああああっ!!!!」
火と水を纏いし2本の魔剣。
ルウの全身全霊を込めた一撃。しかし、それはゴルソンに届くことはない。
「踊り子如きが、嵐の王に勝てるわけがねえだろうがよォ」
「うそ……」
振り下ろされた大剣。
金属音が鳴り響き、宙を舞う2本の魔剣。
「両手も行っとくかァ」
振り上げられた大剣。
鮮血が舞い、ボトリと音を立てて落下するルウの両手。
「ぐうううううううううううううっ!!!!」
「てめえの精霊眼は高く売れそうだなァ。生きたまま抉り取るのは可哀そうだからなァ、回収するのは殺した後にしてやるぜェ」
とどめを刺すべく、ゴルソンは大剣を構える。
両手を失い、成す術の無いルウ。赤と青の美しい精霊眼より涙を流し、ゴルソンを見上げることしかできない。
「まさか、こんなことになるなんて……おとなしくカレンを待つべきだった」
「カレン……?」
聞き覚えのある名前を聞いて、動きを止めるゴルソン。
「どうしたのよ、殺すなら殺しなさい」
「カレンって、あのカレンか」
「どのカレンよ」
動揺を見せるゴルソンに、ルウが言い返した時である。
「このカレンじゃないかな」
鋼鉄の扉を蹴り破り、戦いの場に現れたのは銀髪の少女。
意識を無くしているのであろう栗色の少女を背負っており、その後ろには多くの仲間たちが立っている。桜髪の少女。緑髪のメイド。虹髪の少女。イカした前髪をした男。
「カレンさん!!」
銀髪の少女を見て、瀕死状態のサーナに回復魔法をかけていたランチェルが声を上げるのだった。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!
ゴルソン強くないですか。
ルウとサーナを瞬殺しちゃったんですけど。
そ・し・て~~!! ラストのラストにカレンさん登場ですよ~~!!
面白い・続きが気になると思っていただけましたら、こちら↓↓↓の広告下にあります「☆☆☆☆☆」欄にて作品への応援を頂けますと、今後の励みとなります。
これからもよろしくお願いします!!




