『森の導きVS風犬の尻尾』
「あそこですね」
洞窟の中心部。
『森の導き』のメンバーたちは、鋼鉄の扉の前で足を止めた。
扉の向こう側から感じ取れる、3つの大きい魔力圧。ルウは魔双剣を鞘に戻し、サーナとランチェルの方を振り返る。
カレンとは別行動になり、今は3人で行動している。カレンの反応を見たかぎりでは緊急事態らしく、詳しい理由は後で話すという。
カレンからは自分が戻るまではゴルソンに戦いを挑むなと言われているが、逃げられては元も子もない。
それに、ルウとサーナは誰もが認める上級冒険者。2人が組んで任務を失敗したことは一度たりともない。過去にも海賊や山賊の討伐依頼だってこなしているので、凄まじい強さを誇るカレンがいなくとも、2人だけで事足りる。おまけにランチェルだっている。
「ダメだよ、ルウちゃん。カレンちゃんが待っててって言ってたじゃん」
ルウが扉を開けようとした瞬間、サーナに止められる。
「サーナさんの言うとおりです。カレンさんを待ちましょう。ゴルソンを侮ってはいけません。上級冒険者10人分の強さを持っているのですから」
「カレンを待っていたら逃げられてしまうわ。ランチェル、外国へ飛ばれたら捜しようが無くなるわよ」
「それはそうですが」
ルウに言われ、ランチェルは黙り込む。
「心配いらないわ。私とサーナがいれば無敵。依頼達成率は100パーセントよ。今までも多くの悪党集団を滅ぼしてきているのだから。私たちの功績はあなたもよく知っているでしょう、ランチェル」
「確かに、1度の失敗もありませんが……」
「そうだよね!! 私とルウちゃんがいれば最強だよね!!」
「ええ!!」
自信満々な表情で、ルウとサーナがハイタッチをする。
「分かりました。では、1つだけ条件を出します。冷静に相手の強さを分析し、少しでも危険だと判断したらすぐに逃げること。これを守れますか」
「分かったわ」
ランチェルに真剣な表情で見つめられ、ルウはこくりと頷く。
油断は死への片道切符。ランチェルは、油断したせいで死んでいった冒険者たちを大勢見てきているのである。
「みなさん武器を構えてください。5秒のカウントダウンの後、私が扉を開けます」
「「了解!!」」
ランチェルは鋼鉄の扉に手を掛け、ルウとサーナに指示をする。
ルウは魔双剣を抜き、サーナは矢を作り出す。
「カウントダウン開始、5,4,3,2,1」
「突入!!」
ランチェルが、力いっぱい鋼鉄の扉を開ける。
ギイイと音を立てながら鋼鉄の扉が開くと同時、魔双剣を構えたルウが飛び込んでいく。後衛であるサーナとランチェルもそれに続く。
「「ヒャッハー!!」」
鋼鉄の扉の向こう側は、なんと真っ暗な空間。
視覚は意味を成さない。頼れるのは魔力感知と聴覚だけである。闇の中から聞こえてくる男性の奇声。魔力感知に引っかかる強い魔力反応。
「正面から敵の魔法!! 2人とも横に避けなさい!!」
「「!?」」
ルウの指示により、サーナとランチェルは闇の中で左右に飛ぶ。
その後、暴風が地面を抉る。
「サーナ!! 火の矢で明かりを!! 視界を確保するわ!!
「うん!!」
燃え盛る火の矢をサーナが放ったことで、ルウたちの視界が確保された。地面や壁などに刺さり、松明の役目を果たしているのである。
ルウたちに不意打ちをしたのは2人のモヒカン男。弓装備のモヒカン。短剣装備のモヒカン。そして、彼らの後ろで仁王立ちをしている大剣装備のモヒカン。彼等こそ、盗賊ギルド――『風犬の尻尾』のトップであるグランスバーラ3兄弟。
風魔法を封じ込めた魔弓の名手――ゲルソン。風を操る魔物の素材から作られた短剣を操る剣士――グルソン。そして、Sランク指定されるほど強力な風の魔物である嵐王テンペルクティオの素材によって作られた大剣の使い手――ゴルソン。
「兄貴すいません!! 躱されてしまいましたァ!!」
「不意打ちを躱されるのはクソだせェ!! お仕置きされたくなかったら死ぬ気で頑張りやがれェ!!」
「「ヒャッハー!!」」
ゴルソンに脅され、グルソンとゲルソンは戦闘態勢に入るのだった。
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ヒャッハー!!
ヒャッハー!! ヒャッハー!!
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