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『謎の少女』

 同時刻。

 霧の谷の南口では『色彩の集い』が突入を開始した。


「派手に行くですよ!!」


 ホークスが合図すると同時、エーテルノが重力の塊を洞窟の入り口に向かって撃ち出した。

 洞窟の入り口には、仲良くおしゃべりするモヒカン2人。


「ふわわ、眠いな――」

「腹減ったな、今日の夜飯なん――」


 突如現れた虹色の少女によって、破壊される日常。

 何が起こったのかも分からないまま、跡形もなく消し飛ばされるモヒカン2人。


「えっぐ」


 圧倒的理不尽を目の当たりにし、顔を引きつらせるホークス。


「ナイスです、エーテルノ様」

「さっすがー」

「バーベキューマスターに不可能はねえですよ」


 当たり前かのように、洞窟へと入っていく『色彩の集い』のメンバーたち。

 少し進んだところで、アメルが契約魔法を唱える。


「召喚術式――起動、ムンちゃんおいで」


 魔法陣が輝くと同時、白銀の狼が姿を現した。

 美しい白銀の体毛が洞窟内を照らし、異常に気が付いたモヒカンたちが走ってくる。


「なんだァ!?」

「くそでっけえ狼がいるぜェ!?」

「なんだかよくわかんねえけど、敵襲だぜええええええっ!!!!」


 3人のモヒカンが、一斉に風魔法を撃ち出してくる。

 人間がまともにくらってしまえば大怪我は免れないが、天界の神獣であるムンちゃんには掠り傷1つ付けることすらできない。

 それにはモヒカンたちも驚きを隠せないようで、ゆっくりと後ずさりしている。しかし、アメルはそれを見逃さない。


「やっちゃえ、ムンちゃん!!」

「「「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!」」」


 黄金の爪で切り裂かれ、ボロ雑巾のように散っていくモヒカン3人。


「やっぱりムンちゃんいると雑魚処理が楽ですよ」

「私の出番はなさそうですね」


 モヒカンの死体には見向きもせず、『色彩の集い』のメンバーたちは進んでいく。


「盗賊ギルドというから熱いバトルを期待していたのに、大したことねえじゃねえですか。こっちはハズレだったですか」

「エーテルノ様、ただで帰るわけにもいきませんので、金品でも奪いませんか」

「ナイスアイデアですよ、サツキ」

「エーテルノちゃん、サツキちゃん、そんなことしたら、どっちが盗賊なのかわかんないよ。そうだよね、ホークスさん」

「え?」


 いきなりアメルに話しかけられ、間抜けな声を上げるホークス。


「どうしたの? 体調でも悪いの?」

「い、いや、少し考え事をしていただけだぜ。それで、なんだったか」

「ううん、大したことじゃないからもういいよ」

「そ、そうか」


 ムンちゃんを先頭に、洞窟の奥へと進んでいく『色彩の集い』のメンバーたち。

 しばらく進むと、分かれ道に遭遇した。右か左か真ん中か。ゴルソンに続く正解のルートはどの道になるのか。


「分かれ道なんて聞いてねえぞ。地図もねえしどうすっかな」

「左に行きましょう。1つだけ強い魔力反応があります。その周りにいる3つの少し強い魔力反応は幹部でしょう」

「メイド、おまえ魔力感知を使えるのかよ。驚いたぜ、レスドアに会長とルウ以外で魔力感知を使えるやつがいたなんて」

「私だけでなく、カレンとエーテルノ様も使えます」

「精鋭揃いで嬉しいぜ。長期戦を覚悟していたが、案外ぱぱっと終わりそうだな。左だったよな、さっさと行こう」


 上機嫌そうに歩いていくホークス。

 そんな時、洞窟全体に魔力感知を張り巡らせていたエーテルノが動きを止める。


「どうしたの?」


 エーテルノの変化に気づき、アメルが話しかけた。

 目を閉じながら、エーテルノは口を開く。


「東の方で、次々と魔力反応が消えていくですよ。カレンたちは北にいるですし、私たち以外にも誰かいるですよ」

「まて、ここは立ち入り禁止区域だぞ」

「そいつからは魔力反応を感じねえです。魔法を使わずにモヒカンどもを殺しまくっているですよ」

「嘘だろ、雑魚でも中級冒険者クラスの実力者だぜ」


 驚愕の表情を浮かべるホークス。

 突如現れた謎の存在。警戒態勢に入ったエーテルノは、モヒカンたちの魔力反応からおおよその洞窟内の地形を把握しようとする。


「動き方からして、あいつも魔力感知を使ってやがるですよ。こりゃあ、まずいですよ。モヒカンの配置からして、このままだと私たちと合流してしまうですよ」

「「「えええっ」」」


 距離が近くなってきたのか、モヒカンの悲鳴が聞こえてくる。


「ぎゃああああっ!!!!」

「に、にげろおおおおおおおおっ!!」

「助けてくれえ!!」


 曲がり角から、3人のモヒカンが飛び出してきた。


「おおっと、びっくりしたですよ」

「て、てめえら冒険者か!! 頼む!! 自首するから助けてくれ!!」


 泣きながら、エーテルノの後ろに隠れるモヒカン3人。

 尋常ではない怯え様。


「モヒカンこら、何があったんですか答えろこら」

「クソだせえ服を着たクソ強えポニーテールのガキが黄金色の鎖を寄越せとか言いながら刀で切り刻んできやがるんだ!!」

「黄金色の鎖……?」


 モヒカンの言葉に、ぴくりと反応するアメル。

 そして、数秒後。


「まってよう、にげないでよう」


 サンダルの足音と共に、曲がり角から胡桃色の髪をした少女が出てくる。

 腰まで届くポニーテール。半分だけ開かれた緑色の目。働かなくても食うべきであると大きく書かれた白いシャツと桃色の半ズボン。そして、左手には禍々しい力を纏った妖刀。


「てめえら、全速力で逃げるですよ!!」


 胡桃色の少女を見た瞬間、エーテルノは大声で叫ぶのだった。


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!


マジ焦りのエーテルノ。

なんだか凄そうな子が出てきましたが、何者なのでしょうか。


面白い・続きが気になると思っていただけましたら、こちら↓↓↓の広告下にあります「☆☆☆☆☆」欄にて作品への応援を頂けますと、今後の励みとなります。


これからもよろしくお願いします!!

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