『チーム編成』
「いろいろあったが……気を取り直して、盗賊ギルド――『風犬の尻尾』討伐依頼についての作戦会議を始めるぜ」
馬車の中で、作戦会議が始まった。
今回の作戦に参加するのは、ホークスとランチェル。私とアメル。サツキとエーテルノ。ルウとサーナの8人である。
「目的地は馬車で1日の場所にあります、霧の谷。総勢80人の大規模組織。全てのメンバーが中級冒険者クラスの実力を持っています。特に気を付けていただきたいのは、リーダーであるゴルソン=グランスバーラ。上級冒険者10人分の実力を持っている実力者です。彼の風魔法は強力で、嵐の王の異名を持つほどです」
ファイルをめくりながら、ランチェルが話し出す。
そんな異名が付くほど強かったのか。森ではゲルソンとグルソンの合体魔法しか見られなかったので、ゴルソンの実力は分からなかった。
「ゴルソンの弟たち、ゲルソンとグルソンも上級冒険者クラスの実力を持っているぜ。2人の合体魔法はBランク魔物を瀕死に追いやるほどの威力だぜ」
ホークスが苦笑を浮かべる。
Bランク魔物を瀕死に追い込むほどの威力ともなれば、アメルとサツキには難しいかもしれない。私としては、エーテルノもしくはルウとサーナをぶつけたい。
「霧の谷には出入り口が4つあり迷路のように入り組んでいますので、逃げ場を無くすためにも2人1組で行動したいのですが……あいつらは数だけでなくレベルも高い。そういうわけで、4人2組となっていただきたいのです。そして、それぞれの組に指揮として私かホークスさんのどちらかが入ります」
4人1組になって、ホークスかランチェルのどちらかをメンバーに入れる。
そうなると、『色彩の集い』の中から1人を『森の導き』にあげなければならない。
「あなたたちの戦い方を教えてくれるかしら。わたしは魔双剣での近接戦闘。サーナは魔弓での遠隔戦闘よ」
ルウに言われ、私は悩む。
私の戦い方は『銀ノ焔』を使った遠隔戦闘だが、いつもどおりに戦ってしまえば1秒で正体がバレてしまう。
――そういうわけで。
「私は魔法を無効化しての近接戦闘だよ」
「魔法を無効化……?」
私の発言に、ルウは目を丸くする。
「私の魔法範囲内にいる人は、誰も魔法が使えなくなっちゃうんだ」
「なによ、そのデタラメ魔法。あなた、ほんとうに何者?」
「カレンだよ」
「そうじゃなくて……」
私が笑みを浮かべると、ルウは溜め息を吐く。
話題を変えなければと思ったのか、アメルが口を開いた。
「私は契約魔法だよ。ムンちゃんっていう狼の友達に戦ってもらうよ」
「珍しい魔法を使えるのね」
「うん」
「魔物を戦わせるのなら、慣れているメンバーと一緒にいた方がいいわね。それで、あなたたちは?」
ルウに視線を向けられ、サツキとエーテルノが反応する。
「私は剣魔法です。基本的には近接戦闘ですが、剣を操っての遠隔戦闘もできます」
「私は重力魔法ですよ。遠くからぶっぱなしまくるので前衛もろとも消し飛ばします」
サツキとエーテルノの話を聞いて、ルウは頷く。
「いや、仲間ごと消し飛ばしたらダメでしょう……じゃあ、カレンをもらうわ。魔法が使えなくなっても、わたしとサーナなら問題ないから」
私がいなくなってもエーテルノがいればどうにかなるし、断る理由は無い。
ゴルソンが出たとしても、エーテルノなら楽勝だろう。
「エーテルノ、2人は任せたからね」
「死んだらごめんですよ」
「エーテルノを殺せるのは世界で私だけだよ」
「そうだったですね」
「「あはは」」
笑いながら、私とエーテルノは拳を合わせる。
話が終わったことを確認したのか、ランチェルがこほんと咳払いする。
「決まったようですね。みなさんの話を聞くかぎりでは、回復魔導士の私は『森の導き』に入れてもらったほうがいいですね」
「じゃあ、俺は『色彩の集い』か。俺は植物魔法のスペシャリストだからな。いろいろ役に立つと思うぜ」
ー―チーム編成が終わった。
『色彩の集い』は、アメルとサツキ。エーテルノとホークス。
『森の導き』は、ルウとサーナ。私とランチェル。
「カレン、気を付けてね」
「うん、アメルも気を付けてね。魔物と同じで、息の根を止めるまでは敵に背中を向けたらダメだよ」
「わかった!!」
対人戦の訓練にはちょうどいい依頼だね。
冒険者をやる以上、魔物だけでなく人間とも戦わなくてはいけない時が来るから。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!
ほんっっと!! エーテルノがいるだけで安心感が凄いですね~!!
あと最後~!! カレンなに言っちゃってるの~!!
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