『森の導き』
「よくぞ集まってくれた!! レスドアが誇る精鋭たちよ!!」
翌日の朝。
冒険者協会の会議室には、商業都市レスドアを拠点としている6人の上級冒険者が集められていた。
私とアメル。サツキとエーテルノ。
――そして、2人の少女。
「ホークス、集まったのは6人だけなのね」
灰色の髪をした、ツインテールの少女が口を開く。
腰には2本の魔双剣。魔眼の類だろうか、半分だけ開かれた赤と青のオッドアイからは微かに魔力を感じる。
そして、最も気になるのは尖った耳。人間とは異なる魔力の質。エルフの特徴に当てはまるが、ここは黙っておこう。
「活動の幅が広がるから、上級冒険者は1つの場所にとどまらないんだよ。王都に行ったり、国外に出たり……まったく、困っちゃうぜ。ほんと、『色彩の集い』と『森の導き』には感謝だぜ」
ケラケラと笑うホークス。
「貴方たちが色彩の集いね。うわさは聞いているわ。半年も経たないうちに4人全員が上級冒険者になったのよね。ギルドマスターはどなたかしら」
「私だよ」
「わたしはルウ。森の導きのギルドマスターをしているの。仲良くしてくれると嬉しいわ」
「アメルだよ。こちらこそよろしくねえ」
握手をする、アメルとルウ。
「私はサーナ!! よろしく!!」
「よろしくねえ。声が大きくて元気いっぱいだねえ」
「えへへ!!」
ルウに続き、サーナとも握手する。
赤髪黒目のロングヘアーで、ルウと一緒で尖った耳をしている。赤色の魔弓を背負っており、革製の手袋をしている。
「サツキと申します。色彩の集いでメイドをしております」
「メイド」
「家事万能、戦闘最強、究極のメイドを目指していますので、よろしくお願い致します」
「え、ええ」
真顔のサツキに、ルウは苦笑を浮かべる。
「エーテルノですよ。世界最高のバーベキューマスターにして、人類最強の荷物運びですよ」
「バーベキューマスター」
「バーベキューは遊びじゃねえですよ」
「そ、そうなのね」
ルウは苦笑したまま、エーテルノと握手をする。
2人とも面白いジョークを言うじゃないか。私も負けていられないね。
「私はカレン、世界最強の――」
「馬車の準備ができました!! 準備が出来次第、乗り込んでください!!」
私がとっておきの自己紹介をしようとした瞬間、ランチェルが大声を上げながら会議室に飛び込んできた。
「……」
「あれ……? カレンさん、どうして睨んで……? 私がなにか悪いことでも……?」
「いや、なんでもないよ」
「目が笑っていませんよ。なんだか怖いので私は逃げます」
私の笑顔を見て、ランチェルはそそくさと会議室から出ていった。
「カレンね、よろしく」
「よろしく」
ルウに握手を求められたので、私は笑顔で応じることにした。しかし、お互いの手が触れた瞬間、ルウが目を見開く。
「あなたっ!!!!」
勢いよく後方へ跳躍し、腰に差してあった魔双剣の柄に手を掛ける。
「なに?」
「尋常ではない精霊の怯え様、あなた何者!?」
敵意剥き出し。
下手に動けば、即座に切りかかってきそう。
「灰色娘の目、アレは精霊眼ですよ。カレン、眼に封印されている精霊がてめえの正体に気づいちまったようですよ」
「え~」
エーテルノに言われ、私は溜め息を吐く。
精霊の森でナトゥアに正体がバレてしまった時のように、どうやら人間とは異なる感覚を持つ精霊には熾天使の魔力が分かってしまうらしい。
「あなた、人間ではないわね?」
「さあ、どうだろう。私は人間として生きているつもりだよ」
「嘘はやめて。最上位精霊が怯えているのよ。あなた、下位種族ではないわね。そうなると、上位種族……いや、まさか、それ以上の存在……?」
「灰色娘、素性の詮索はそこまでにしとくですよ。あと、そこのうずまき。命が惜しかったら今の話は聞かなかったことにしておくですよ」
「こわっ。なんだか知らねえけど、俺は何も聞いてないぜ。ひゅーひゅー」
エーテルノに睨まれ、わざとらしく口笛を吹くホークスだった。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!
熾天使の魔力を感じ取ってしまう精霊は厄介ですねえ。
エーテルノ好き。
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