『滅亡へのカウントダウン』
人間界の遥か上空、自然が溢れる天使たちの楽園――天界。
超巨大な滝に囲まれた島――聖島アルレンティア。そこには絶対神ハレスの住む白亜の宮殿がある。
「失礼いたします!!」
宮殿の2階。
ハレスの玉座がある謁見の間に、鎧を纏った天使兵が飛び込んでいく。そこには絶対神ハレスと天使将軍ソフィエルの姿があり、片膝を附く天使兵を見下ろす。
「申してみよ、その焦りようからして只事ではないようだが」
「報告は2つ!! 偵察部隊から情報が入りまして、魔界と竜界が戦争を始めたとのこと!!」
「なんだと!!」
ソフィエルから発言を許可され――
天使兵が報告すると、床を蹴るようにして玉座から立ち上がるハレス。
「決戦の場は、魔界と竜界の境界壁であります!! 竜界の序列5位――『地竜』ヴェルナと魔界の序列5位――『氷魔』サレヴィアの部隊がぶつかりあっております!! 戦況はやや魔界優勢!!」
「カレイアの生存が確認されたことで3界の均衡が崩れることは分かっていたが、いくらなんでも早すぎるだろう!! 先日のことだぞ!!」
天使兵の報告を受け、怒りをあらわにするソフィエル。
「何者かによって、情報が洩らされているのでちゅ?」
「そう考えるのが妥当ですね。機能を停止していた『天銀ノ裁秤』と『聖槍アルジェーレ』が動き出したことでワタシたちはカレイアの生存を知ることができました。もちろん、この件は極秘事項。天界の者しか知りませんから」
「くそ、誰でちゅ……」
怒りのあまり、カリカリと爪を噛み出すハレス。
そんな時、天使兵が口を開く。
「2つ目を報告いたします!! 牢獄に閉じ込めていた熾天使クレアが脱獄!! 脱獄の手引きをしたのは、熾天使アリア!!」
「「なにいいいいいいいっ!?」」
宮殿全体に響き渡るであろう、2人の絶叫。
天界を守護する熾天使は5体。天界の序列2位――『天鎖』ソフィエル。天界の序列3位『天銀』カレイア。天界の序列4位――『神装』ルフィア。天界の序列5位――『海王』アリア。天界の序列6位――『天花』クレアである。
「ルフィアはどうした!? 牢獄の守りをしていたのではないのか!? アイツであればアリアなど敵ではないだろう!!」
「どういうわけか、ルフィア様の姿は無く……その場に残るのは熾天使アリアによって殺された天使兵だけです!!」
「ふざけるな!!」
「ひいい、どうかご勘弁を……!! うぎゃああああああああああっ!!!!」
ソフィエルの鎖に打たれ、天使兵の上半身が吹き飛んだ。
ボトリと音を立て、床に落ちる天使兵。
「ルフィアは何を考えているのだ!! アイツはこちら側のはず!! カレイアとは敵対していたはずだ!! 毎日のように戦いを挑んでは敗北し、憎しみを膨らませていたのではないのか!!」
「許せんでちゅ!! ソフィエル、裏切り者は皆殺しでちゅ!! 今すぐ天使兵を集めるでちゅ!!」
「はっ!!」
ハレスに命令され、ソフィエルは謁見の間から飛び出していく。
大急ぎで走っていくソフィエルの後ろ姿を、宮殿の柱の陰から覗く天使が1体。
「カレイアさんだけでなく、ルフィアさん、アリアさん、クレアさんも失っちゃうなんて、天界は滅亡一直線だね。すごい情報を手に入れちゃった」
キャラメルブロンドの髪をした、おだんごヘア―の天使。
フーグアである。
「厳戒態勢になったら天界から抜け出せなくなりそうだし、面倒なことにならないうちに竜界に帰っちゃおう」
子供っぽく笑うと、フーグアは気配を消しながら聖島アルレンティアを後にするのだった。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!
天界滅亡へのカウントダウンが始まりましたよ。
相変わらず、ソフィエルは部下を殺すことに何の躊躇もありませんね。
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