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『王都を観光しよう』

 全ての屋台を制覇した私たちは、パンパンになった胃袋を休ませるために王都の公園に来ていた。噴水を取り囲むように花が植えられており、木製のベンチに座ると花の香りで心が癒される。


「私もうお腹いっぱいで動けないよ……」

「全制覇はやりすぎましたね」

「メインストリートの端から端まで屋台が続いていたもんね。食べ歩きだけで3万カレイア超えちゃったよ」


 ドリンクを飲みながら、笑い合う私たち。

 さすがは王都というべきか。今まで食べたことのない料理ばっかりだった。東西南北の大陸から料理が集まっており、食の奥深さを知ることができた。


「私の故郷、東大陸の海鮮料理はどうでしたか?」

「美味しかったよ。私はチャーハンが好きだったかな」

「私は海鮮丼に驚いちゃった。東大陸って、お魚を生で食べちゃうんだね。少し抵抗あったけど、食べ始めたら止まらなかったよ」

「魚は調理方法と保存方法さえ気をつければお腹を壊すことなく生で食べられますからね。気に入っていただけて嬉しいです」


 私とアメルに好評だったことが嬉しかったのか、にっこりと笑みを浮かべるサツキ。


「うん、そろそろ動けそうかな」


 30分くらい休憩して――

 お腹が落ち着いてくると、アメルが立ち上がる。


「お腹も膨れたことですし、観光地巡りでもしますか?」

「アメル、どこか面白い場所ある? パンフレット読んでたよね?」

「うん、たくさんあるよ。手帳にまとめてたから近い場所から行こうよ」

「「さすが!!」」


 アメルは手帳を取り出すと、パラパラとめくる。


「ここからだと、カレイシア教会が近いよ」

「嫌な予感」

「熾天使カレイア信仰団体の本拠地。すっごく面白そう」

「絶対やだ」

「えー」


 私に全力拒否され、しょんぼりとするアメル。


「正体がバレたら大騒ぎですよ。別のところにしましょう」

「サツキ好き!!」

「サツキちゃんまで……まあ、嫌なところに行っても楽しくないよね。それじゃあ、聖剣の丘にでも行こうよ。すんごい聖剣が刺さっているんだって」


 聖剣とは、面白そうなワードじゃないか。


「どんな聖剣?」

「悪魔殺しの聖剣だって、カレンほんと?」

「そんなものがあったら、魔界が放っておかないと思うけどね」

「じゃあ、偽物か~」

「存在に気づかれていないだけかもしれませんよ。念のために見に行ってみましょう」


 怪しい気持ちもあるが、悪魔殺しの聖剣とやらを見に行ってみることにした。


「カレン、サツキちゃん、あそこが聖剣の丘だよ」

「人が多くて剣が見えないね」

「観光名所ですからね」


 観光名所というわけで、丘の前には人だかりができている。


「見られるまでには時間が掛かりそうだねえ」

「待つのも嫌ですし、別の場所に行きましょうか。しばらくしてから戻ってきましょう」

「「賛成」」


 サツキの提案により、聖剣の丘は後回しにすることになった。


「アメル、次はどこ行く?」

「銀焔の祭壇だね。熾天使カレイアの焔が燃え続ける祭壇があるんだって。パンフレットによると、約3000年前から燃え続けているらしいよ」

「3000年前って、3界戦争が終わったときじゃん。そうか、あのときか。思い出したよ。人間界で休戦会議が行われたんだ。ハレスの付き添いで行ったんだよ。その時にちょっとした揉め事があってね、それの残り火かも。なるほど、消し忘れがあったんだね」

「「カレン……」」


 呆れた表情で見つめてくるアメルとサツキ。


「みんなには申し訳ないことをしたな。今からでも消しちゃおうか。子供が触ったりしたら危ないし」

「カレンの焔は王都のシンボルになっているのですから、それを消してしまえば王都が……いや、世界がパニック状態に陥りますよ」

「そこまで!?」


 世界をパニック状態に陥れるわけにはいかないので、そのままにしておこうか。


「あそこですね」


 聖剣の丘を後にし、私たちは銀焔の祭壇に到着したが――

 港町アクリナでの一件が原因だろうか。案の定、銀焔の祭壇には人だかりができていた。


「うひゃあ、ここもすごいねえ」

「ここで熾天使化したら大騒ぎでしょうね」


 人混みを掻き分け、私たちは祭壇に辿り着く。

 石造りの祭壇。その頂上には銀色の焔が燃え盛っており、子供から老人まで、祈りを捧げる者や天使の仮装をしている者もいる。


「うん、私の焔だ」

「この焔に見守られながら、人間は成長してきたんですよね」


 静かに目を閉じながら手を合わせるサツキを私が横目で見ていた時、なんだか周囲が騒がしくなってくる。


「どうしたんだろう」

「カレンとサツキちゃんはここにいて。私が見てくるよ」

「いや、私たちも行くよ。アメルが人の多い王都で迷子になったら大変だからね」

「カレンに賛成です。アメルは可愛いですから、うろうろしていると奴隷商人に捕まってしまうかもしれないですよ」

「まったく、2人とも心配性すぎだよ。私も子供じゃないんだから。それじゃあ、いつもみたいに3人で行こうか」


 騒ぎの原因を突き止めるために、最後尾にいる男性に声を掛けてみることにした。


「すごく盛り上がってるけど、なにかあったの?」

「なにって、アンタ失礼にも程があるぜ。今日はアルファード王国第1王女――フローレス=アルファード様の誕生日に決まっているじゃないか」

「へえ、それはめでたいなぁ」


 なるほど、誕生日だったのか。

 王女様の誕生日ともなれば、国民が盛り上がらないわけがない。


「メインストリートで誕生日パレードが行われるんだぜ。ゆっくりと馬車で通られるから、運が良かったら手を振ってもらえるかもしれないぜ」

「面白そうじゃん。アメル、サツキ、私たちもここで見ていようか」

「いいねえ」

「私も構いませんよ。王女殿下を生で見るのは初めてですし」


 アメルとサツキの了承も得られたので、私たちは観光スポット巡りを中断して誕生日パレードを見ることになった。


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!


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これからもよろしくお願いします!!

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