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『光』

「――『終焉ノ黒しゅうえんのくろ』」


 天から降り注いだ光の槍。

 それをギリギリのところで消滅させたのは、エーテルノだった。


「なにが起こったの……? いきなり砦が吹き飛んじゃったけど……?」

「あっっっっぶなかったですよ。サレヴィアに頭を冷やされなかったら魔法の発動が遅れていたですよ」


 ポカンと口を開けるアメルと、ふうっと息を吐くエーテルノ。

 極めて高密度な重力の塊によって生成された漆黒の球体。アズレ砦にいた者を消し飛ばそうとした光の槍は、エーテルノが出現させた漆黒の球体に吸い込まれてしまった。


「まっじかオイ……この不意打ちはフツー当たんでしょ」


 上空より声が聞こえ、全員が上を向く。

 視線の先にいたのは、金髪ツインテールの少女。


「ラードニア」

「えっ、まってどうしてそこにいんの♪ ちょりちょりはろ~♪ この前ぶりだね、サ・ツ・キ・ン♪」


 とびっきりの笑顔で、サツキに手を振るラードニア。


「メイド、貴様はラードニアと知り合いなのか」

「はい、彼女とはいろいろ事情がありまして。10年後に殺し合う約束をしています」

「ラードニアと人間の貴様が」

「私の故郷がラードニアとルヴィエラに滅ぼされまして。仲間の仇を討つために修業中です」


 ラードニアに視線を合わせたまま、アズリオンの質問に答えるサツキ。


「仲間の仇討ちとな……しかし、理由もなくアイツらが人間の住処を滅ぼすわけは……おい、まさか貴様は」

「滅竜の里、唯一の生き残りでございます。しかし、出来損ないではありますが」


 サツキは剣魔法を起動させると、黒色の剣を生成した。


「まて、それは」

「魔剣ドラゴスティアのレプリカです。一瞬でも期待させたことをお詫びいたします。私はまだ本物を見つけられていないのです」

「……」


 地面に突き刺された魔剣ドラゴスティアのレプリカを見て、アズリオンは黙り込む。


「やっべーミスったわどーしよ。この不意打ちするためだけに魔力を限りなくゼロに近づけて隠れていたのにさあ。ルーちゃんになんて言い訳すれば……まって、もしかしてそこに倒れてるのってカレっち……?」


 寝かされているカレイアの存在に気づいたのか、ラードニアが目を見開く。


「貴方の主が汚い手を使ったせいで死んでしまいました」

「サツキン、命を懸けた殺し合いにルールは存在しないよ。勝った方が正しいんだ。でも、あたし悲しい。カレっちとはもっと遊びたかったし、サツキンも強くしてもらわないといけなかった」

「……」

「そもそもこの戦争って竜界と魔界だけが戦うんじゃないの。カレっちとかサツキンがいるなんてあたし初耳なんだけど」


 不機嫌そうにしながらラードニアが文句を言っていると、アズレ砦へルヴィエラが戻ってきた。


「なにやってんのラードニア、1人も殺せてないじゃん」

「ルーちゃん」


 竜界最強の2体が揃ってしまった。

 ルヴィエラ1体だけでも勝ち目は無いに等しいというのに、ラードニアまでいるとなれば絶望以外の何者でもない。


「なんだよ、その目」

「あたし聞いてないんだけど。カレっちとサツキンがいるなんて」

「言っていないからね」

「どうして言ってくれなかったの。サツキンとあたしは10年後に戦う約束したって言ったじゃん」

「おまえが勝手にした約束なんて知らねえよ。てか、私たちの天敵である滅竜魔導士を生かしておくって頭おかしいだろ。ほら、さっさとこいつら殺すぞ」

「……」


 ルヴィエラに命令されるが、ラードニアはぴくりとも動かない。


「なんのつもりだよ」

「あたしさあ、ルーちゃんのそーゆーとこむかしっから嫌い。部下の気持ちを考えないし、激ヤバなことばっかやらせるし」

「それで」

「ぶっちゃけ、ルーちゃんよりカレっちのほうが好き。そーゆーことだから、あたし今日からカレっちの味方になるわ」

「「「「「は?」」」」」


 ラードニアの発言に、この場にいる全員が間抜けな声を出すのだった。


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!


えっ、ラードニア協力してくれるの?

心強すぎるよ?


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これからもよろしくお願いします!!

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