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『始剣テリエーラ』

 ごくりと唾を飲み込む私。

 正直ここまで実力差があるとは思わなかった。

 さっきの攻撃だって反応すらできなかったし、アズリオンが助けてくれなかったらルーワカと2人で焼け死んでいた。


「寝惚けてんのかおまえ。いつもだったらイラつく無表情で躱してから反撃かましてくるだろうが」


 冷や汗を垂らす私を見て、ルヴィエラは不機嫌そうな表情を浮かべてくる。


「カレイア、遊んでいる余裕はないぞ」

「わかってる――『焔天煌々えんてんこうこう』」


 アズリオンに怒られてしまった。

 私は軽く舌打ちをすると、ばちんと指を鳴らす。白銀に煌めく焔で精製された無限の槍が出現し、一斉にルヴィエラへと襲い掛かっていく。


「きゃはっ、そうこなくっちゃ」


 笑みを浮かべながら、余裕そうに白銀の焔槍を躱していくルヴィエラ。

 超高速移動。これでは仕留めきれないか。


「アズリオン、援護をお願い」

「……」


 私は聖槍アルジェーレを手にし、ルヴィエラとの距離を詰めていく。

 ルヴィエラは私への対策を欠かさない。私の『銀ノ焔ぎんのほむら』を無効化させるために、魔力は魔法を使うその一瞬だけにしか使用することはない。

 魔力の防御がなければそこらへんに落ちているような1本の剣で切られるだけでも大怪我を負ってしまうので、それはただの自殺行為。

 しかし、ルヴィエラは世界最高峰の硬度を誇る皮膚を持っているため、魔力で身体を守る必要がないのである。


「そっちが槍で来るならあたしは剣で行こっと。始剣テリエーラ」


 紅炎を纏いし黄金の剣。

 軽く振るうだけで山を一刀両断することができるという始まりの剣。魔力防御は最大出力にしておかないとマズい。


「心臓を貫いて首を落とせば、さすがのおまえでも死ぬよね」

「おまえにできれば、な!!」


 始剣テリエーラで白銀の焔槍を全て撃ち落とし、私を迎え撃つルヴィエラ。

 余裕の表情である。


「はあっ……!!」

「ふふ……」


 突き、突き、ひらりと躱され。

 首を狙った薙ぎ払いは片手で受け止められ、動きの止まった私に向かって、ルヴィエラが剣を振るう。


「……っぶね」


 聖槍アルジェーレを消滅させ、剣の振り下ろしを私は躱そうとする。

 しかし、完全には躱すことができず頬を掠ってしまった。私は距離を取り、たらりと垂れてきた血液を親指で拭う。


「おい、雑魚天使。何を企んでいるのか知らねえけど、本気で戦えよつまんねえ。もし本気でやってこれってんなら……あたしはもうおまえに何の魅力も感じない」

「……」


 ルヴィエラとアズリオンからの冷たい眼差し。

 これはちょっときついな。心臓をナイフで抉られたみたい。


「……はあ、アメルとサツキだっけ。そいつらが殺されるってなったらおまえは真面目に戦うかな?」


 突然、そんなことを言って――

 親指と人差し指で丸を作って、遥か遠くに広がる森林地帯を右目で覗き込むルヴィエラ。


「おまえはなにを……」

「あたし、デウスノーヴァを喰ったじゃん? それで、神眼っていってさぁ。すっげえ遠くを見渡せちゃうクソ便利な眼を手に入れちゃってえ」

「それがなんだって……」

「滅竜魔導士に、神の召喚魔導士。力を付ける前に消しておいて損はないわけ」


 ニヤリと笑い、森林地帯に向かって始剣テリエーラを構えるルヴィエラ。


「カレイアちゃん!! あそこにはアズレ砦があるわ!!」

「アズレ砦って……!!」


 ルーワカの悲鳴に、私は全てを理解する。

 ルヴィエラのやつ、アズレ砦に避難しているアメルたちに気づいている。


「今すぐあたしを止めないと、大切な仲間が死ぬよ」


 始剣テリエーラを、勢いよく振り下ろそうとするルヴィエラ。


「やめろ!!」


 私は『銀ノ焔ぎんのほむら』を起動させ、ルヴィエラに撃ち出す。

 しかし、魔力を纏っていないルヴィエラに効果はない。私は聖槍アルジェーレを手にし、捨て身の攻撃を仕掛けに行く。アズリオンの助太刀は無い。まさかの裏切りか。


 ――そして1つ。


 私は重大なミスをした。

 普段なら絶対にすることのないミスだ。冷静さを欠いていたのだろう。最初に撃ち出した『銀ノ焔ぎんのほむら』で、私は自分自身の視界を塞いでしまったのである。


「焦るあまり判断力が鈍ったか。あそこにアルバティンがいるのは知ってんだよ。この距離じゃあどうせ逃げられるんだからそんなことするわけねえだろ」


 銀色の焔から、始剣テリエーラを構えたルヴィエラが姿を現した。


「……なっ」

「まずは槍を捨てさせないと」


 始剣テリエーラの一撃で、聖槍アルジェーレが私の手から叩き落とされる。

 回転しながら、地面に落ちていく聖槍アルジェーレ。


「最後の最後まで本気を出すことはなかった。おまえには失望したわマジで」

「く、くそ……やっぱり私じゃあ……」


 左肩から右腰へと斜めに振り下ろされ、始剣テリエーラが私の身体を深く切り裂いた。

 今のルヴィエラが振るいし始剣テリエーラの前に私の魔力防御は意味を成さなかった。傷は深く、確実に致命傷である。こりゃマズい。このままじゃあ死んじゃうね。私に死なれたらヤバいし、久しぶりにわたしの出番かな。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!


ええっと、カレンが手も足も出ないってどういうことですかね。

最後になんだか懐かしい気配がしましたね。


面白い・続きが気になると思っていただけましたら、こちら↓↓↓の広告下にあります「☆☆☆☆☆」欄にて作品への応援を頂けますと、今後の励みとなります。


これからもよろしくお願いします!!

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