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『創造神の最高傑作』

 ルーワカと共に、私は魔界の空を飛んでいた。

 私とルーワカが向かうのは、魔王城のある城塞都市ディアヘルから少し離れた場所にある丘陵地帯である。


「あそこだね」


 先ほどの劫火により燃え続けている平原地帯を超え、丘陵地帯が見えてきた時――

 私は、空中で停止する。


「やっぱり分かっちゃうのね、カレイアちゃんには」


 私を見て、くすりと笑うルーワカ。

 一見何も無い空間。大きな魔粒子の乱れも無い。普通であれば、異変に気づかずに通り過ぎていくだろうが――


「私の魔力感知は、神にも負けてないよ」

「ふふっ」


 空間に対し、微かに生じた魔粒子の乱れ。

 身近なものに例えるならば、袋いっぱいに詰められた塩の中にたった1粒砂糖が入っているくらい。私が本気で魔力感知を行えば、ほんの僅かな誤差でも見逃さない。


「アレを使ってるってことは、さっきの劫火でヤバいって思ったんだろうね」

「魔王様は、部下のことを愛しているもの」

「あはは、どっかの鎖女とは大違いだね。この規模でアレを使うなんて、魔力消費も凄まじいんじゃないの。魔力切れでゲームオーバーに助けてあげないと。かもーん、聖槍アルジェーレ」


 そう告げると、私は天に向かって右手を伸ばす。

 天が割れ、丘陵地帯の上空に超巨大な二重螺旋の槍が降臨した。


「ええっと、ちなみになんだけど……それをどうするつもりかしら。カレイアちゃん」

「――『焔纏いほむらまとい』」


 聖槍アルジェーレが銀色の焔を纏う。

 その変化を見て、ルーワカが苦笑を浮かべる。


「カレイアちゃん? なんだか地獄のような光景が広がっているんだけど? それをどうするつもりかしら?」

「ごっつんこさせようかなって」

「まっ――」

「いけー!!」


 私が右手を振り下ろすと、銀色の焔を纏った聖槍アルジェーレが落ちてきた。それが魔法であるかぎり、私の焔に触れれば強制的に解除される。


「バカレイアちゃぁぁぁん!!」

「あははははははははははは!!!! 魔王、竜王、恐れるに足らずぅぅぅぅ!!」


 微かに魔粒子の乱れが発生している空間を、聖槍アルジェーレが貫いた瞬間――

 世界が消える。


 ――そして。


 悪魔と竜の王が姿を現す。

 漆黒の天輪。3対6枚の黒翼。透き通るような青い目。漆黒のドレスを身に纏い、腰まで届くプラチナブロンドの髪を揺らすのは、魔界の序列1位――『世界』アズリオン。私と同じく創造神の最高傑作。魔界を統べる王である。


「ふふ、ようやく来たかクソ天使。待たせすぎだ。先刻のトカゲファイアーでくたばったのかと思ったぞ」

「せっかく助けに来てあげたのにクソ呼ばわりはないんじゃない。全身ボロボロのクソ悪魔」

「貴様なら10秒で死んでいる。私だからここまで足止めできた」

「バーカ、15秒はいけるっての」


 ニヤニヤ笑ってくるアズリオンに、私は軽く舌打ちする。

 そして、もう1体。

 不敵な笑みを浮かべながら、私を見てくる金色の目を持つ少女。袖の無い動きやすそうな黒い服を身に纏っており、膝に届きそうなくらい真っすぐと伸ばされた燃え盛る炎のような紅色のポニーテールをしている。竜王の証である、頭に乗せられた黄金色の王冠。渦巻く黒い角。2対4枚の赤い翼。


「きゃははっ、生きてたんだ雑魚天使。さっきの炎で死んじゃったのかと思ってた」

「うるさいよクソガキドラゴン。私があんなへなちょこファイアーで死ぬわけないじゃん」

「テキトーに放った炎だかんね。死なれちゃ困るんだわ」


 馬鹿にするような目で私を見てくるのは、竜界の序列1位――『暴食』ルヴィエラ。私やアズリオンと同じく創造神の最高傑作。竜界を統べる王である。

 あれがテキトーとかふざけるんじゃない。対峙したからこそ理解できる。私では神を喰ったルヴィエラに勝つことはできない。


「創造神の最高傑作が揃っているわ……」


 目を丸くするルーワカ。

 熾天使カレイア。魔王アズリオン。竜王ルヴィエラ。この3体が揃うのは、3000年前に休戦協定を結んだ時以来だろう。


「てか、おまえ随分とおとなしいじゃん。話も通じるし」

「どうしたカレイア。人間たちに牙を抜かれたか」

「私をなんだと思っているのかな。私は平和で優しくて可愛い天使だから」

「「それはない」」

「君たちさっきまで殺し合いをしていたんだよね。息ぴったりじゃん」

「まあ、あたしら3人は一緒に生まれたわけだし? そゆのもあるんじゃない?」 

「「それもそうか」」

「「「あはは」」」


 笑う3人。

 そして、最初にアズリオンが笑うのをやめる。


「さて、2対1だがどうするルヴィエラ。この状況でも魔界侵攻を続けるか」

「……」


 笑みを崩さないまま、私とアズリオンを交互に見つめるルヴィエラ。

 そして、私が瞬きをした時である。


「え――」


 私の視界から、ルヴィエラの姿が消えた。


「――『世界構築せかいこうちく』」


 指を鳴らすアズリオン。

 ぱちんという音が響くと同時、1秒前まで私とルーワカのいた場所を劫火が包む。


「「え……」」

「馬鹿が、油断するな。カレイア、ルーワカ」


 気づくと、私とルーワカはアズリオンのすぐ隣にいた。


「あっ、くっそ。もう少しで焼き天使と焼き悪魔が作れたってのに。おまえの世界魔法ずるいっつーのマジで」


 上空で悔しがるルヴィエラ。

 今の動き、まったく見えなかった。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!


お待たせいたしました、魔王と竜王の登場です。

ちょっとまって、ルヴィエラめちゃくちゃ強くないですかね。

アズリオンがいなかったら、カレイアとルーワカ危なかったんじゃないですかね。


面白い・続きが気になると思っていただけましたら、こちら↓↓↓の広告下にあります「☆☆☆☆☆」欄にて作品への応援を頂けますと、今後の励みとなります。


これからもよろしくお願いします!!

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