遠くで雷が鳴った
続きです。
転職をして一年が経った。
前の仕事は辛かったあ……と言いつつ、いまも内容としてはそんなに変わらないような気もしている。
一年も経つと、楽しかった記憶も、辛かった記憶も、同じように色褪せていく。
びっくりするくらい、人間は忘れられるようにカスタマイズされているのだなと本当に実感する。
前と比べようと思っても、霧に囲まれて物を探すような感じで、輪郭がつかめない。
「その子」は、私にとっていわゆる後輩と呼ばれは存在だった。
いつのまにか、仲良くなって、距離を縮めた。
いま思い返すと、最初は苦手意識を持ってたような気もする。
私は不器用で、その子は随分と器用に見えたから。
ただ、仕事に対する姿勢や考え方はすごく共感できるものがたくさんあって、時間を見つけては 食事にいって、職場の理不尽さを嘆いて、語り合う日々を重ねていった。
プライベートでも距離を縮めて、私にしては珍しく、パーソナルスペースを許した後輩だった。
そんな中、わたしは兼ねてからの不満が爆発してしまい、昨年転職。
その子も後を追うように、今年職を変えた。
お互い会う機会はめっきり減ってしまったけど、私にとっては前の職場での戦友、同胞…そう呼べるような大事な存在だった。
前の職場での大事なことを一緒に感じあえた、乗り越えてきた、とても大事な子だった。
1つが短すぎるでしょうか…?
まだ続きます。