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遠くで雷が鳴った
本当に人生初めての投稿になります。
読んでくださる方なんていらっしゃるのかしら…。
少しでも、たった一人でも、何か伝わればいいなあと思います。
よろしくお願いします。
随分と生温くなった風が、肌にまとわりついて私を通り越していく。
今日は雨が降る、と昨日の天気予報から騒がれていたけど、終わってみたらそこまで大雨でもなかった。
「あつっ……」
帰宅途中、誰にとはなく小さく呟いてみる。
雨が降るって言ってたからこんなに生温いのか、湿気か、なんていま一番関係のないことも考えてみた。
人気の少ない夜道。
一歩進めるたびに、コンビニの灯りから離れていく。
横を通る車は、一瞬だけ私を照らして、遠くへ行ってしまう。
自然に呼吸をする。
呼吸をしながらちゃんと家に帰るのだ。
吸う息よりも、吐く息のほうが心なしか大きくなるのは、許してほしい。
手提げ鞄にいれず、手に持ったままのスマートフォンが短く何度も振動する。
何らかのサインを、お知らせを、手短に私に知らせている。
私はそれにきちんと目を向けることができず、いつもより幾分ゆっくりと歩き続けていた。