実里の能力
一度、皇国に戻ってきた理人たちは一同準備のために皇国に入った時点で別れた。理人のもとに実里だけが残っていた。
「ミノどうしたんだよ?みんなは準備のために別れたぞ?お前も行ったらどうだ?」
「私はあなたに相談があるの。あなたは異能力のこと知ってるんでしょ?」
実里は理人に聞いた。実里はベルナに簡単にやられてしまったことを気にしていたらしい。
「見てもらえる人は知っているが、見てもらってどうする?そんな簡単に使えるわけじゃないんだぞ?」
理人は実里に説明したが、実里の決意は固かった。
「あいつに負けてわかったの。今のままじゃだめだって。確かに鏡の言う通り教えてもらってすぐにできるわけないと思うけどやれることはしておきたいから。お願い」
実里はそう言って、理人に頭を下げた。理人は少し考えた。戦力が増えるのはいいことだがもしそうなればこいつはオレより目立ってしまうじゃないかと思ったからである。
「約束しろ。お前は俺よりもし目立つことになれば、上の者たちに評価された場合、俺のおかげだと証言してくれ。それならばお前に異能力を見てくれる人のところまで案内しよう」
実里は首を縦に上下しわかったと言った。理人は約束通りにバーランのところへ案内することにした。
「よし。今から行くからついてきな。なにすぐに着く」
実里は理人の後について行った。
理人たちはアルムの屋敷まで来て、バーランのところに向かうため地下へ降りた。
「ヘェ〜この屋敷にこんな地下があるなんて知らなかったわ」
「知らなかったなんて、ミノお前この屋敷に来るの初めてだろうが」
2人で会話しながら地下への階段を降り、やがてバーランの部屋の前に着いた。
「おーい。バーランいないのか〜。いるなら返事くらいはしてくれ〜。」
理人は2、3回ドアをノックした。反応はなく、ドアノブをひねると鍵はかかっていなかったノカ普通にドアが開いた。そして部屋に入っで実里は驚いていた。
「なんだこのゴミ部屋⁉︎やばいじゃないの。ここに人なんて住んでるの?」
実里は理人に聞いたが、理人は残念そうに
「そういう人がいるんだよ全く。多分このゴミ山の下の方に埋まっていると思うからとりあえず掘るわ」
理人は一度実里を部屋から追い出して1人でゴミ山を掘ることにした。
「はぁ。このゴミ山状態ということはまた誰も掃除に来てないってことか。まぁバーランが早く掃除覚えて欲しいんだけどね」
理人はブツブツ言いながらゴミ山を掘っているとだんだん人影が見えてきた。
その人影はやはりゴミ山に埋もれていようと寝ていた。よくこんな状態で生きていられるなと理人は思っていた。
「バーラン、ほら起きろ。」
理人はそう言ってバーランをゴミ山から掘り出した後、前にガイリがやっていたような起こし方。顔面ビンタをしていた。
「起きたからもうやめて〜。痛いマジで痛いから」
理人は起きてすぐにやめたと思っていたが、それより早くバーランは起きていたようでバーランは涙目だった。
「全く。花の乙女にこんなことするなんて‼︎キズが残ったら責任とりなさいよね〜。」
頰を抑えながらバーランは言った。理人は冗談でもこいつと一緒に暮らすのは嫌だと思った。
「今日はお前に用があってきた。ミノの能力を見てほしい。頼む」
理人はバーランの前で下げたくない頭を下げた。
「いいけどその前に部屋の掃除ね‼︎」
バーランは強く言い、理人は掃除を始めた。