切り裂き魔の誇り
「秋月さんは違う切り裂き魔にさらわれたんだよ」
治療してもらった女は言った。
「何を言っているの。切り裂き魔は私が撃退したのよ。違う怪しいやつ何じゃないの?」
ダーラスは女に聞いたが、女は首を横に振り
「いやこの情報は確実ですよ。私秋月さんを抱えていた人は自分から切り裂き魔と名乗っていました。秋月さんを奪還しようとしたのですがあっけなくやられてしまいまして。すまない」
女はダーラスに謝罪した。
「何故君が謝る?だいたい君は鏡理人といたやつだろうに何故一人であんなところで倒れていたんだ理由を聞かせてくれ」
ダーラスは聞いた。
「分かりました。まだ名乗っていませんでしたね。私はミノといいます。レジスタンスに所属しています。であそこで負傷して倒れていた理由ですが、私は鏡君とイナハルさん?が異能力について二人で話し合って熱中していたところを狙ってもうダッシュで商店街まで来たんです。そこで商店街に入って秋月さんを探しているとさっき説明した切り裂き魔と名乗る男に会いました。秋月さんを抱えていたので取り返そうと攻撃したのですが、逆にやられてしまってあそこで倒れていました」
実里は自己紹介を軽くして、どうやってここまで一人で来たのかを具体的に説明した。
ダーラスはそれを聞いていて不自然だと思うことがあった。
「何でお前は倒されて、切り裂き魔と名乗ったそいつに秋月と一緒にさらわれなかったのかしら?」
「切り裂き魔には誇りがあって一度狩りに出たら一人しかさらわないようにしているらしい」
ダーラスの質問に実里はそう答えた。
「悪党にも誇りがあるんだね。でそいつの片腕かなり負傷していたかしら?」
ダーラスは実里に聞いた。実里は
「いや。そいつは傷一つなかったですよ。かなりの実力者だと思うので戦うならあまりオススメはしません」
ダーラスは今回の戦いで結構魔力を使ったため戦うことはもうきつかったので今回はもう一人の切り裂き魔とは戦わないことにした。
ダーラスは今後どうするかをアルダスと相談することにした。
「秋月がさらわれたとなればこの作戦は失敗だどうする?」
「どうするも何も要のやつがいないんじゃ撤退するしかないでしょう。とりあえずイナハルがここまで来るのを待とうじゃないか」
ダーラスたちはイナハルが合流するのを待つことにした。
「しかしイナハルのやつは遅いな。早くこないと今後のこと決められないじゃない。後であいつはオシオキね」
たまたま聞いていたのか実里が近づいてきて
「誰にイタズラするんですか?」
と聞いた。ダーラスはあまり他人に素の自分を見せないようにしていたが今回は油断したのか実りに見られてしまった?
「今私の喋り方とか変だと思わなかった?」
「全然普通だと思いますよ」
ダーラスはホッとしながら多分バレてないなと思っていた。
しばらくすると2人の人影が見えてきた。