イナハルVS実里と理人
実里達が城の外で待っていると、チリンとそれを囲む騎士団達そしてガイアラン皇国の誇る、闘将、知将、大臣が共に歩いていた。
「おいどうするんだよ。俺たちアルダスなんて倒せないぜ?なんであいつまで一緒にいるんだよ」
理人は実里に小さな声で相談していた。
「私だって知らないよ‼︎アルダスたち3人は一緒に行かないと思っていたのに、、、考えが甘かったのかしら私」
実里は悩んでいたが、もうそんな時間もあまり残されておらず、考えれば考えているほど時間はたち、チリンは理人たちから遠ざかっていった。
「もう悩んでいる暇なんかない‼︎とりあえずでるぞ‼︎」
理人はそう言ってチリンたちの前に出た。
「おい‼︎秋月を解放させてもらうぞ‼︎」
理人は言った。実里は
「くそ〜。こうなりゃやけになるしかないわね。もうなるようになれよ」
後から理人のところに実里は出た。チリンは2人を見て
「2人ともなにしに来たの?ミノさんには謝ってなかったね。ごめんね私これから用事があるし、それにもしかしたら死ぬかもしれないから、修行とか見てもらえないかも。せっかく機会をくれたのにごめんね。で鏡君はなにしに来たの?」
チリンは理人に尋ねた。理人は
「何しに来たってお前を取り戻しに来たんだよ‼︎無理矢理アルダスたちに誘導されて成り行きで囮とかをやることになったんだろう?お前がそこまでする必要ないんだから早くこっち来いよ」
理人は指でチリンを手招きしていた。
「残念だけどこれは私の意思なの。だから私を助けに来ただなんて思わないで。邪魔をしないで」
チリンは理人を突き放したが、理人はチリンを見捨てることはできなかった。この囮役は下手をすれば死んでしまうからである。理人のせいでこの世界にチリンは来てしまったのに、城民扱いをされず、ただ死に行くようなことを理人は認められなかった。だから理人は諦めずにチリンを止めようとしたが、理人の前に別の男が現れた。
「秋月、君はアルダスたちと先に行きたまえ。この2人はこの私イナハルがくい止めよう」
理人と実里の前にイナハルが立ちはだかり、チリンたちはイナハルに言われた通り、先に進んだ。
「どけ‼︎この外道‼︎お前こんなことして許されるとでも思ってるのか‼︎」
理人はそう言って、威嚇するかのように腰にかけていた剣を握りイナハルを切る直前で寸止めした。
「私も舐められたものだな。大臣だからと言って私のことを舐めてもらっては困る」
イナハルはそう言った後に理人に強烈な蹴りをかました。
「がはぁ‼︎」
腹にもろに蹴りをくらった理人は、しゃがみこんでいた。
「私も急ぐのでね。すぐに決着をつけさせてもらうよ。我が異能力を受けよ‼︎」
イナハルがそう言った瞬間、イナハルの手から網のようなものが出た。理人は捕らえられそうになったがそこを実里に助けてもらった。
「すまないミノ。だがあいつを倒さないとここを通してもらえないようだな」
理人はイナハルをどう倒すか考えていた。イナハルも異能力を使えることは知らなかった為なんの対策も思いつかないでいた。
「どうした。私を倒さないと秋月を救えないぞ。助けるんだろう秋月を?ならばこいよ。我が異能力、網を扱う能力を攻略して見せよ‼︎」
こうしてチリンたちは先に行き、理人と実里タッグ対イナハルの戦いが始まった。