柳とテムルナ
ガイアラン会議が行われる少し前、ゼネラルたちはガイアラン皇国裏で集まっていた。
「さぁみんな集まったな。じゃアワルディア帝国へ向かうか」
ゼネラルが仕切ってそう言った。
「待て。俺は皇国を裏切ってまでこっち側についたんだ。本当に俺を強くしてくれんだよなそこのやつ‼︎」
テムルナはそう柳に言った。もうテムルナには皇国へ戻ることも許されないのである。たった1人の親友でさえも殺したのでテムルナは相当追い詰められていた。
「ああ。約束はちゃんと守ってやるよ。とりあえずアワルディア帝国に戻ってからな」
テムルナは納得できないような顔でいた。しかし約束は守ると言っていたのでそれを信用するしかなかった。柳はチリンに会ったことにより少し悩んでいた。
(秋月もこっちに来てたのか、、、。まぁ俺は俺のやるべきことをやるだけだ。たとえ秋月の敵になってしまおうとも俺は何としてもこの指令こなしてみせる)
柳はある男の命令によってアワルディア側についていた。その為ある情報を掴む為日々探っていたがなかなか隙がないダーランマなのでずっと使えているふりをしていた。
「では帝国に戻るぞ‼︎今度こそ出発してもいいな?多分ダーランマ様ももう帝国に帰ってると思うから直で向かうぞ。そうしないとせっかく手に入れた新鮮なアレも腐っちまう」
とゼネラルは気を取り直して言った。テムルナは新鮮なやつが気になったのか
「なんだよその新鮮なやつって?」
とゼネラルに聞いた。ゼネラルは
「お前には秘密だ。帝国に行けばわかるさ」
こうして裏で集まっていることも知らなかったガイアラン皇国の人は簡単にアムライを誘拐、パールの死体を奪われたのであった。
柳とテムルナは帝国に向かっている時こそこそ喋っていた。
(なんだよお前。俺になんか用でもあるのか?)
肩をちょんちょんと柳に突かれていたテムルナは言った。柳は
(俺の名前は柳だ。出来れば俺のやることに協力して欲しいんだ。俺はダーランマがお前と会っている間、ある人を探す。だからお前はできるだけダーランマを引きつけておいてくれないか?)
とテムルナに言った。テムルナは
(そんなことして俺になんのメリットがある。俺はそれにもう力を手に入れられるならそれでいいし、もしお前のその策に乗って俺は力を得ることはできるのか?ならその策に乗ってやる)
と柳に返した。柳はテムルナの身に起こる不幸を知りながらこう答えた。
「ああ。お前に損はさせないだから頼む」
と少し声を張ってテムルナに頼んでいた。テムルナは快く承諾した。
テムルナはまだ自分にあることをダーランマにさせられることをこの時はまだ知らないでいた。
そして、理人が皇国に着いた頃にはもうすでに何もかもが遅い状態で理人は嘆いていた。師匠を守れなかったこと、恩を返せずにいたこと。
ギルドに向かうと久し振りにガイを見つけ、声をかけようとするとギルドでは見たことがない人とガイは話していた。