能力全開!鏡理人
理人が意識を覚醒させる前、バーランの能力で魔王の体から自由を奪ったかと思えば、それは魔王の演技であり、魔王は自分の手を胸の触れそうなところにまで持ち込み、バーランに勝利したと思い込ませた後にバーランの体にまで一気に詰め寄る。
「え?な、なんで。私の能力で動けないはず!なのにどうして!」
「ふっ。魔王がこんな絶対服従の目如きでやられてしまっては魔王などとは名乗れぬよ。せいぜい通じて魔王7将の手下ぐらいではないかな」
魔王はバーランの服に触れ、バーランの服はだんだん溶けていく。
「くぅ!」
「我の手は腐ってなくなろうともこのように我魔力で腕は作成可能だ。さぁお仕置きの時間だ」
「ふ、服を溶かすとか。この変態め!」
「なんだ肌から溶かして欲しいのか?それならばそう言わねばわからぬよ」
魔王はバーランの肌に触れようとした瞬間
「我流・杭砲!」
マリアルは魔王に向けて杭を生成し、飛ばす。
「邪魔だ!」
魔王は飛んできた杭砲を手の平でとめ、先端から溶かして無力化する。
「やめて!バーランにその溶かす手近づけるなー!」
マリアルは何度も杭砲を魔王に撃つが、魔王はマリアルの攻撃をものともせず、片手ですべて無効化し、もう片方の手でバーランに触れようとする。
「や、やだ。私はまだこんなところで死ぬやつじゃないのに。こ、こんなー!」
バーランは死を覚悟し、マリアルはなんとかとめようとするがすべて攻撃を無効化され、2人とももう本当にだめだと思い込んだ時、
「待たせてすまなかったな2人とも。もう安心だ。ダーラスから簡潔に情報は聞いた。あとは休んでいるといい。俺が魔王を殺す」
理人が魔王の目の前に現れ、バーランを後方に飛ばし、魔王の手を自分の手で受けとめる。
「ほう。目覚めたか。あのまま寝ていれば苦しまずに死ねたのに。バカだな貴様は」
「バカはお前だ魔王。自分の手を見てみろ」
魔王は自分の手を見ると、理人に触れたはずの手が消滅していた。
「な、なんだと!バカな!今我の攻撃は貴様にあたり、貴様は溶けていくはずなのに。なぜ我の手だけが消滅している!」
「わかっているはずだ。先程俺と戦っていたならな!」
「ば、バカな!貴様の能力無効は異能だけのはず・・・。なぜ我が魔力で生成した腕を、ま、まさか!」
魔王は消滅していく自分の腕に驚いていたが、理人はそんなことを気にせずに魔王に殴りかかる。
「おらぁ!」
「ぐ、ふぅ。ふ、触れたな。今我の顔に拳で触れたな貴様!」
魔王は理人の触れた手を見て笑っていた。