最終決戦!VS魔王
「わかっているわ。今の私たちじゃあいつには、理人には遠く及ばない。彼はそれほど融合の異能で強くなってしまったわ。私たちは彼の邪魔をしないよう、サポートするわ。少し不服なのだけれどね」
「仕方ないだろう。私たちには魔王は荷が重い。奴らにあやつられたバウラムとかに苦戦する我らでは魔王討伐など不可能。できることをやるしかあるまい」
不服な顔をするダーラスにアルダスはいい、アルダスは渋々納得する。
口では二人はサポートするとは言っているがやはり理人一人に頼るのは不甲斐なく感じる二人であった。
「私も行きたいが、王としての務めを果たさねばならぬし、それに理人との約束もある。秋月チリンが皇国に来たら優しく、気持ちよく迎え入れてやらねばならぬし、理人が帰ってきたら少しでも体や気持ちを癒せるように私は私の戦いをせねば。だから二人とも、私の分まで頑張ってくれ」
ガイは二人を激励し、ダーラスとアルダスは、ははっと頭を下げる。
「2人ともガイ様はわしがちゃんと守るからのう。安心して鏡を助けてこい。そして2人とも、特にお前たち2人、絶対に死ぬんじゃないぞ。命を捨てるような行為も無しだ。全力で行きて帰ることをわしに誓え」
「どうしたのよ〜。イナハル。そんなこと言わなくても私たちはちゃんと生きて帰るように務めるわよ〜。まだまだやりたいこともあるし、ガイ様を見届けたいのもあるしね。最初は不安だったけれどこの数日、ガイ様を見てよくわかったわ。ガイ様は王族よ。正真正銘の。肌で感じたわ。この人は、王の息子なんだなと。だから私は彼の成長するところを見たいから行きて帰るわ。ね、アルダス」
ダーラスはアルダスに同意を求める。
「無論だ。私は最近起きたばかりで、何もガイ様の行いを見れずにいたが、ダーラスがここまで押すのだからきっと、大丈夫だろう。私もダーラスと同じ意見だ。だから必ず帰る」
アルダスも自分の意見を言うと、ガイとイナハルは安心して2人を見送る。
「私も行きたいけど、後輩を待たなければいけないから行けないわ。だから理人をお願いね」
実里は2人にそれだけ言うと、復興中の城の作業に戻る。
「あのー。すいません。私も2人といるんですがさっきから存在消されてません私?ニートだからですか!引きこもりだからですか!」
アルダスとダーラスの横にいたバーランが誰にも何も言われずにいたので少し腹が立ち、物申す。
「あー、仕方ない。なら一言で言うな」
ガイは頭をぽりぽりかきながら
「働いてこい」
「冷たぃぃぃぃぃ!」
ガイの一言に、バーランは泣きながらゲートに走って入って行き、アルダスとダーラスもバーランの後を追ってゲートに入る。
「さて見送りは済んだ。作業に戻るぞ!」
ガイが後ろに振り向いた瞬間、ゲートの中に入って行く、2人、男と少女にガイたちは気付かずにゲートは閉じるのであった。