吸血鬼の最期
「この程度で我が、吸血鬼である我がくたばると思うなぁぁぁぁ!」
吸血鬼はふんとカルナクを飛ばした後、カルナクの体を掴む。
「ぐ!はなせ!」
「残念ながらお前はここで終わりだ。我に直に吸われることありがたく思うがよい!」
吸血鬼が言うとカルナクの体からだんだんと生気がなくなっていき、肌が白くなっていく。
「が、ぁ、あぁ、あ、ああぁ」
「カ、カルナク!」
マリアルは慌てて杭で吸血鬼の手を裂き、落ちてくるカルナクを受け止める。
「へ、へへ。ふが、いねぇとこみせちまったな」
「何言ってるの!私の血をあげるからそれを飲んで血の気だけでも・・・」
マリアルは腕に少し切れ目を入れようとすると
「そ、それは、だめ、だ。わたし、なら、だいじ、ょぶ。もう、やるこ、とは、やっ、た。あと、は、はつ、どうする、のを、待つ、だけ、だ。」
「もう喋らなくていいわ!早く私の血を!」
マリアルがカルナクに言うと、吸血鬼はカルナクに接近し近くにいた、マリアルを退ける。
「くぅ!」
「どけ!我が一族よ!こいつは我の顔に傷をつけた。万死に値する。だからこいつの血の気、生気を全て吸い取り、存在したかけらも残さぬ!」
吸血鬼はカルナクの首に噛みつき、血を吸い出す。
「カァァァァァァァ!」
ビクッ!ビクッと体が反応しながらカルナクの体はだんだん細くなり真っ白になっていく。
「やめろぉぉぉぉ!カルナクを、カルナクをはなしてぇ!」
「断る!そしてもう無駄だ。こいつはもう死んでいる。肉体的にもすべてにおいてもな!」
カルナクはたしかに血を吸われながら腕はだらんだらんとたれ首もガクッと死んだように生気がなく曲がる。
「しかし、なんだ。なぜこんな我の回復速度が遅い。おかしい、血は吸ったはずなのになぜこれほどにまで力が・・・」
マリアルは地面に落とされたカルナクの体を見て、吸血鬼に怒りをぶちまける。
「ごめんねお父さん。私あいつを許せそうにないからお父さんの体、ぐしゃぐしゃにしちゃったらごめんね」
「なにを訳の分からぬことを!今我が貴様を食べてより強く、純粋な肉体へと我は!」
吸血鬼はマリアルに近づき噛み付こうとするが、吸血鬼は急にその場に倒れ込み苦しむ出す。
「ぐ、うぁ!き、急に体がぁぁぁ。それに奴に受けた頭の傷にまで鋭い痛みが、焼けるような痛みがぁぁぁぁ。これは一体、なんなのだぁぁぁ!」