その頃のカルナクとマリアル
「魔王様。私では力不足です。よってこの勝負、私の負けです」
「ガイウ。貴様自分が何を言っているのかわかっているのか?」
「はい。ですからあなたに始末されるまえに少し抵抗させていただきます。おい!人間!」
理人はガイウに呼ばれなんだと言い返すと、ガイウが理人に何かを投げつける。
「これは・・・」
「私が死んだとしてもそれにかけた能力は発動するから安心して使いな。大丈夫、罠なんてしかけてないから。私なりの最後の抵抗さ」
「お前今から抵抗するんじゃ」
「お前にそれを渡しておけば、私は無駄死にではないと思えるからな。では人間さらばだ!」
ガイウは理人に言い残すと魔王に特攻する。
「貴様。人間にものを渡すということは裏切りであるぞ。この大罪、わかっているのであろうな?」
「私は、私は魔王様に殺されるのであれば人間にでもなんでも私が生きた証を渡しますよ」
「ふっ。何を言う、お前たちは死ねば私と一つになるのだぞ。まぁ端的に言えば貴様らの身体能力は全くないが、異能は私の元へと戻る。私は貴様らの親であり、魔王だからな」
「嘘はつかなくていいよ魔王様。そんなの魔王様でもできるわけない。さぁ話はここまで。抵抗させてもらうよ」
ガイウは額に手を当てる。
「触れろ、腐食の面」
ガイウの顔に仮面が装備されるがその仮面は崩れかけのグズグズな仮面であった。
「そんな仮面で何をする気か知らんが無駄な抵抗と教えてやろう」
魔王は立ち上がり、ガイウが能力を使う時と同じポーズをとる。
「な、何!」
「消せ、消滅の面」
魔王の顔にも仮面が装備され、その仮面は敵を全て消す雰囲気を出し、怒りの表情が多くでた面であった。
「これが先ほどの答えだ。理解したか?ガイウ」
「ば、ばかな!私は、私はまだ死んではいないぞ!」
ガイウは魔王が自分の能力を使ったことに驚く。
「ふっ。我は魔王ぞ。貴様ら魔族の下っ端程度の能力ならば見れば出来るんだよ」
「だが真似できたとして完璧に扱えるわけではないだろう!死ね!魔王様!」
ガイウは魔王に突っ込んでいく。
しかし魔王は手をガイウの方向に向け、ただじっと待つ。
「けっ!なんのつもりだ!私に触れて腐ってしまえ!」
「もういい。うるさい口をとじよ。ガイウ」
フォっと音がすると、魔王の目の前にいたはずのガイウが魔王の前から消え、理人はそれを見て驚く。
「な!」
「こんなところだな。しかし」
魔王はそこまで言うと、仮面は割れて地面に落ちる。
「どうやらあまり使えないみたいだ。さて。次はお前の番だ人間、長らく待たせたな」
魔王は理人に言うと、理人は身構えた。
その頃、ナンレと理人の戦いが終わった時カルナクとマリアルはある男に襲われていた。