仮面の者
「ま、魔王。貴様部下になんてことを」
「部下?誰のことだ?今のやつは部下でもなんでもない。自分の能力を自負し、今まで能力の力だけで生きてきた慢心女だ。でなければこんなあっさり負けるはずもないし、消滅もするわけなかろう。我の技に何か抵抗でもあれば生かしはしたものの、ナハトのやつ。一体なんのつもりでかような奴を」
魔王はイライラしながら、ガイウに言う。
「ガイウよ。貴様は我を失望させるなよ」
「はい、わかっています。任せてください」
ガイウは理人の前に立ち、なぜかは知らないが理人に対してお礼を言う。
「ありがとう人間。あいつを殺してくれたおかげで私は自由になれた。私の能力はやつに向けられたら防げないからやつには従うしかなかった。だが君がさっくりあいつを倒してくれたおかげで、私は私のために能力を使える」
ガイウは一度かけていた仮面を外す。
「なんだ?仮面を外したら強くなる能力とかか?まさかそんなわけないよな?」
理人はガイウに言うと、ガイウは笑って
「はは。そんなわけないじゃぁないか。じゃ見せてあげるよ。私の能力は肉体強化なら最強だということを」
ガイウは自分の顔の前に右手を当てる。
「起きろ、狂戦士の仮面」
ぶわっと、急にガイウの顔に仮面が出現し、ガイウが吠える。
「うガァァァァァァア!」
「ま、まさかこれは肉体強化!」
ガイウは理人が驚く間に距離を詰め、理人に殴りかかる。
「ぐっ!」
理人はなんとかガイウの攻撃を防ぐ。しかしガイウの拳は予想以上に重く、少し後ろに後退する。
受け止めた腕はヒリヒリと痺れ、これはやばいと理人も流石に思う。
「くっ。肉体強化でこんなにくらうとは。防いだと言うのに、腕がヒリヒリ痛む。これは本当に厄介だぜ」
理人が1人呟く間も、ガイウは容赦なく理人に襲いかかり、理人は攻撃を避けることに徹する。
「これは、まともにやりあうとたしかにやべぇ。だが今の俺にはこんな手段もあるのさ!」
理人はガイウの攻撃を避けられない時、鏡パネルを出し直撃をかわす。
「うがぁ!うがぁ!」
「ふっ!ほっ!は!っと」
ガイウは急に立ち止まり、仮面がポロリと外れる。
「はぁはぁはぁ。ぐ!ごはぁ!」
ガイウは急に口から大量の血を吐きだす。
「が、はぁはぁはぁ。ま、まさか。私の狂戦士の仮面を見て生きている奴がいるなんて。はぁはぁはぁ」
「残念ながら。すまないな。俺は魔王を倒す気でいるんだ。こんなんで殺されたりはしないさ」
「ふっ、そうかであるならば」
ガイウは魔王のいる方に振り向いた。