アワルディア魔帝国 2
「これはこれは。門の前からでもなんか不吉な感じがするなぁ」
ゲートから出た理人はアワルディア帝国の門の前で言う。門の前は荒れており、人が無事に住んでいるかもわからないくらいの状態だった。
「そんじゃ、カルナクを見つけてさっさと魔王殺りに行きますかなっと!ところで俺の後ろにあるゲート、いつになったらきえんだろ?」
理人は自分でもわからないが、自分が出てきた後に数秒残ったゲートが気になり、数分だけ、ゲートの前にいた。
するとゲートから、ガイに頼んだはずのマリアルが現れたのだった。
マリアルが出た瞬間ゲートは消滅し、送り返すにもできない状態になる。
「マリアル。なぜゲートの中に入った。私はお前をガイに任せたはずなんだが」
「私は理人についていきたいから来たの。ダメ?」
「ダメって、危ないからガイに任せたのに。来たものはしょうがないし、今帰すわけにもいかないしな。うーん」
「大丈夫だよ。私、ついてきたからには自分の身はなんとか自分で守るから。だから理人は魔王を倒すのに集中して」
「集中してとか言うくらいなら皇国で待っていてくれれば良かったのに。無理難題を言ってくれるなよなー。全く。ついてきたからには俺の指示に従えよマリアル」
こくっと首を縦に振り頷いたマリアルを連れて、理人はアワルディア帝国に内部に入る。
すると前に来た時よりも帝国の城下は悲惨な状態になっていた。
地面には人が多く倒れており、中には血まみれで倒れている人もいた。
「う!これは酷い!これでは魔王が復活したとか言われても納得がいく。マリアル。俺から絶対離れんなよ。とりあえず城の方に向かってカルナクを探すか」
マリアルの手を握り、城に向かう理人。
マリアルは理人に手を取られ、嬉しくて理人に見えないように、ニヤニヤしていた。
理人とマリアルは城付近にまで近づくと人が一人入れる分くらいの氷の壁?のようなものが立っていた。
「これは、まさかな。こんなかにカルナクがいるわけ・・・」
試しに理人はカルナクの名前を呼ぶ。
「カルナク!何処にいるんだ。いるなら返事してくれ!」
理人が叫ぶと、氷の壁がガンガンと内部から音がする。
「ま、まさかこんなかにいるとは。今出してやる」
理人が氷に触れると氷は一瞬で溶け落ち、中にいたカルナクは理人を見て驚いていた。
「私があれだけ攻撃して壊れなかった氷を一瞬で・・・。一体お前に何があったんだ鏡」