アワルディア魔帝国
「ではダーラスが詠唱し、ゲートが開く前に弓道寺から聞いたあちらでの状況を言おう」
イナハルはダーラスの詠唱中に理人に言う。
「え?弓道寺さん、はどこにいるの?イナハルの後には誰も居なかったけど」
「あー、わしだけ迅速に先に来てな。情報を伝えに来たのだ。それでは弓道寺から聞いたことそのまま伝えるぞ。簡潔にのう」
イナハルは理人に言い、理人はイナハルにアワルディア帝国の現在の状態を聞く。
「私が弓道寺から聞いた話ではカルナクがまず生きていたらしい。わしはカルナクとやらが今何かに閉じ込められ、それを破壊してから一人で魔王のいる城に攻めると聞いた。だから人がいると。そして、鏡とガイ様を指定してきたがガイ様はもう王族最後の生き残り。であるなら貴様が行くしかあるまい。なぁ鏡」
「なるほどー。確かにカルナクはガイが王族とは知らないだろうからな。それに魔王がどれだけ強いかは知らないが今の俺なら多分カルナクと二人で倒せるはず・・・」
理人は手のひらをぐっと握りしめながら言うと
「あまり魔王をなめないほうがいい鏡理人。貴様が思うような弱さであれば最初から誰も魔王とは呼ばぬ。あまりなめてかかるなよ」
イナハルが理人にそこまで言うと、ダーラスはゲートの詠唱が終わったぞ!と声をかける。
「これで鏡、あなたはアワルディア帝国前にまで行けるはずよ〜。中はどうなっているかわからないからアワルディア帝国の門の前につなげておいたわ〜。とりあえず死なない程度に帰ってきなさい〜。後なんども言うようだけれどもダーランマの奴は殺しちゃダメだからね〜。わかったかしら?」
ダーラスは理人に念には念をと何度も言う。
「わ、わかったよ。ダーランマって奴には手をだしゃなきゃいいんだな。特徴を教えてくれ」
「羽がある。それだけでいいかしら?」
めちゃめちゃ簡潔にダーラスは理人に言うので、理人は一度耳を疑う。
「え?まさかそれだけ?」
「それだけよ〜。そら早く行きなさいな。時間がもったいないでしょう〜」
理人は急かされ、確かにと思いながら急ぎ足でゲートの中に行く。
「ガイ!マリアルを頼んだぜ!」
「任せろ親友。私は君が魔王を倒してくると信じて報酬の準備をしておくよ。だからガイアラン皇国のことは一度忘れて魔王討伐に力を入れな!」
「おうよ!ありがとなガイ!」
理人はゲートをくぐってアワルディア帝国へ向かう。
そして取り残された4人は
「それじゃ理人がいなくなったし、私が働こうかな!」
ガイがそう言って立ち上がるとその瞬間マリアルはダッシュでゲートへと向かう。
「な!マリアル一体何を!」
「私も理人のところに行く!理人が行った後なら私だってすぐに行ける!」
「やめろ!言っても理人の邪魔になるだけだ!だから行くのはやめろ!」
マリアルはガイが止めたにもかかわらず、ゲートの中に入り、理人の後を追う。
マリアルがゲートに入ると、ゲートは消滅し、ガイはマリアルが理人を追っていったことで悩むのだった。