帝国に向かう鏡理人 3
「はぁはぁこんなん俺1人にやらせてお前ら高みの見物とかまじでないぞ」
理人は文句を言いながらも材木を運ぶ。
「何を言う。私はちゃんと指示は出しているしガイ様にはこんな仕事させるわけにはいかないわ〜。まぁ前のガイアラン王はこっそり城下に出ては復興作業をしたりはしていたけどね。でも私の目の黒いうちはガイ様にはやらせないわよ〜。で、残ったのがあなた1人ならあなたがやるしかないでしょ〜。それとも何か?あなたが連れてきた愛人にでもやらせるのかしら〜」
ダーラスはガイの隣にちょこんと座るマリアルに言う。
「り、理人がどうしてもと言うなら手伝うわ!い、いやむしろここは頼んだ方がいいのかしら・・・」
マリアルが悩んでいると、ガイは
「ダーラス。それはダメだ。そんなことを言うのであれば私がやる。いや、もう見てられん。私も理人の作業を手伝う!」
ガイが勇んで理人が作業をしている場所に近づくと、ガイの前に弓道寺たちを迎えに行ったイナハルが現れる。
「のわ!ビックリした。でどうしたイナハル?珍しく汗をかいているような気が」
「ガイ様はわしを何だと思われているのかわかりませぬがわしだって汗ぐらいかきまする。それより鏡理人!、後ダーラス!」
理人はなんだ?と言い、ダーラスは何かしらーとイナハルに聞く。
「鏡理人。お前には今からアワルディア帝国に向かってもらう。それで急ぎであるからダーラス。貴様にゲートを開いてもらいたい」
イナハルは2人に指示を出すと、ダーラスは理由を聞く。
「教えてちょうだいイナハル。あなたがなぜ魔法詠唱も遅いのにゲートを今使わせ、そしてなぜ鏡だけを送らねばならないのか」
「ああ。今から言うさ。心して聞くといい。魔王が目覚めたらしい」
イナハルが言うとダーラスはイナハルの胸ぐらを掴み。
「冗談じゃないわ。なぜ鏡だけをゲートにいれなきゃ行かないの?行くなら私も行くわ。魔王を目覚めさせたのはおそらくダーランマ。兄の不始末は私がつけなければ」
「お前が言ってしまっては誰がガイ様をお守りするのだ。アルダスは回復はしたがまだ意識を取り戻さぬし、わしだって一人でガイ様を守れる自信などない。もうこのお方が居なくなれば本当にガイアラン皇国は終わってしまうのだ。だから今は堪えてはくれぬか?」
「・・・わかったわ。今しばらくは我慢はするけど、後鏡!」
「なんだ?」
「ダーランマが生きていれば殺さないで欲しいのよ〜。あいつを殺すのわぁ、私の念願のなのよ〜。お願いね〜」
理人ははいはいと返事を返し、ダーラスはゲートの魔法の詠唱を始めた。