帝国に向かう理人
「おーい迎えに来たぞい」
イナハルは皇国の入り口付近で休む弓道寺たちに呼びかける。そしてイナハルの声が聞こえた瞬間、弓道寺はイナハルのもとに駆け寄り、頼み込む。
「なぁ大臣さん。あんたに頼みがある」
「この老いぼれに頼みとな?レジスタンスのリーダーともあろうお主がわしに頼み込むとは。いいだろう聞いてやる。で何だ?」
「頼む、鏡理人を帝国にすぐに向かわせてくれ!そうしなければカルナクが、カルナクがやられてしま!」
「少し落ち着くのじゃ。組織のリーダーともあろうものが取り乱しおって。リーダーがそんなんではレジスタンスも舐められてしまうぞ」
「そんな組織の吟味を今話し合っている場合ではない!魔王が、魔王が復活したのだ!そしてカルナクは魔王に挑もうとしている!1人じゃ絶対瞬殺されてしまう」
「ま、待て待て待て待て」
イナハルは魔王が目覚めたことを弓道寺が言った瞬間、
「魔王が目覚めたじゃと?なぜそれを早く言わぬ!魔王が目覚めたのであれば鏡理人を行かせるしかないが、流石に2人ではな・・・。うーむ。アルダスもまだ万全ではないしどうしたものかな」
「考えている時間なんてないだろ!とりあえず先に鏡理人だけでも向かわせるのだよ!」
「確かに考えてる暇などないな。ならば早く向かうぞ。わしはお前たちを迎えに来たのだ。ほら早くアルダスをかつげ弓道寺。早く移動するぞ」
イナハルは弓道寺に指示を出し、弓道寺はアルダスの体を担ぎ、オミコは弓道寺についていく。
その頃イナハルが弓道寺たちを連れてくるのを城の復興をしながら待っていた、ダーラスと理人、ガイは復興作業をほぼ理人にさせ、ダーラスが指示をしている形であった。
「ふっー。なかなかいい汗かけるもんだな城の復興ってやつは」
「はいはい喋らないで早く体を動かしてくれないかしら〜。もっとはやくしないと全然作業が進まないんだけどー!」
理人は持っていた城の土台部分を地面に叩きつけていう。
「俺1人にやらせてこんなん終わるわけないだろーが!何年かけるきだ!」
「まぁそんな怒るなよ。私も手伝うからさ」
「ダメですガイ様。あなたはもう王であり、民を導くお方、あなたはだから堂々と鏡理人が働いている様を見ていて下さい」
「わ、わかった。ダーラスが言うなら間違いないだろうしな」
「いやわからないでよ。少しは助けようと思おうよ」
ダーラスは理人を面白がるようにこき使い、ガイはそれを見てあたふたしており王の威厳もクソもなかったが、ダーラスは今の理人の状況を楽しんでいたので、ガイが手伝おうとするのをやめさせていた。