帝国に向かう理人
理人が魔王が目覚めたと知ったのは少し遡り、黒布男がカルナクを助け、魔王将と魔王のいる帝王の間に突っ込んだその後のことである。
カルナクは持っていた連絡機である男に連絡する。
「もしもし、私だ。カルナクだ。連絡が遅くなってすまないリーダー」
「カルナク!お前無事だったのか?いやぁだいぶ連絡がこないから心配したぜ。オミコがお前は死んだ風なことを言っていたからな」
「ああ。たしかに私はリーダーの嫁さんを見逃すために氷の魔王将と戦い、死んだ。いや凍りづけにされて生きた状態で放置されていた。氷の魔王将はどうやら念のためを思って私を殺さないでいたらしい」
カルナクは弓道寺に説明し、弓道寺はカルナクの話を坦々と聞いていく。
「でここからが本題なんだが、まず女王様と柳というやつをそちらに向かわせた。もしも皇国に着いたら、保護してやってくれ。あともう一つは最悪なお知らせだ。魔王が目覚めてしまった」
弓道寺はカルナクの魔王が目覚めたという言葉に耳を疑うが、こんな時に冗談を言うわけがないかと思い、ただ頷く。
「それで秋月かな?の件は了解したけどその魔王が目覚めたって件についてはこちら側からどうしたらいい?」
「可能であれば人手が欲しい。今魔王のところに1人で突っ込んで言った奴がいるんだが、そいつはかなり強いがきっと1人じゃ魔王は倒せないと思う。あいつは勝てると思ってるかもしれないが」
「ふむ。で向かわせるとして誰を向かわせればいいのだ?生半可なやつを連れて行けばすぐに殺されてしまう。私にそんな死んでくれと他人に言えるほど残酷な言葉を言うつもりはない」
「誰を向かわせるって、決まってるだろ。鏡理人とガイだよ。あの二人をこちらに向かわせてくれ。あの二人以外そちら側には強い奴はいないだろう?アルダスとダーラスは皇国に残らなきゃ行けないだろうからよ」
弓道寺はガイも無理だとカルナクに言う。
「な、何故だ?あいつは冒険者であろう?それにもうあの二人以外に強いやつがいるとは思えぬが」
「ガイはじつは王族だったんだよ。だからやつも王としての責務があるから簡単に死地にはおもむけぬよ」
カルナクは弓道寺の言葉に耳を疑う。まさかあのガイが王族だとは思っていなかったからである。
「わかった。なら、ならば、鏡理人だけでもいいからこちらに向かわせてくれ。私も今の状況を打破した後に魔王を倒しに向かう」
「な、カルナク。何を言っている。一度皇国に戻って・・・」
プツンとそこでカルナクは連絡機の電源を切る。
「すまないな。だがあの黒炎と氷を使う黒布を被った奴を見た時点で私は決めたんだ。やつを手伝おうと。だからすまないな本当に」
カルナクはまわりの氷を破壊しようと能力を駆使していた。