理人参上
「おのれ!よくもアベ殿を殺したでござるな!」
「ふっ。この程度で死ぬようじゃ前にいた炎の魔王将とかの方がだいぶマシなんじゃないかな?」
黒布男は言う。アルバルトンはそれに対して怒りをあらわにし、
「アベ殿がこの程度で死ぬわけないだろう!きっと何か、攻略法があってわざと死んだんでござるよきっと」
「言ってることがおかしいやつだな。攻略法が何にせよ結局は死んじゃあ意味がないんだよ」
黒布男は体の正面に黒炎の丸い球体を出現させ、アルバルトンに向けて放つ。
「黒炎・円球!」
アルバルトンに向けて放たれた黒炎をアルバルトンは
「剣士として、君のような格下相手にこの魔剣は生成したくはなかったのでござるが、致し方あるまい。お主の黒炎、通じるのはここまででござるよ。これからは拙者の攻撃ターンでござる」
アルバルトンは魔剣を生成し、黒炎を両断する。
半分に別れた黒炎の球は別れて地面には散らずにその場で消滅する。
「魔剣・無」
アルバルトンの生成した剣は細く、普通の剣と何ら変わらない剣だったが、黒炎をなぜか両断できるほどの切れ味があった。
「な、なぜ私の黒炎を」
「拙者の魔剣・無は全ての特殊能力を無に帰す剣。たとえ触れてしまえば永遠に燃え続ける黒い炎であろうとその効果を消してしまえばただの炎と変わらんでござる。だからいくらでも撃つといいでござるよ。お主の好きな黒い炎を」
アルバルトンは黒布男に近づきながら言う。ゆっくり、ゆっくりとアルバルトンは黒布男に接近していく。
「この、私をなめるなよ!魔剣士風情が!黒炎・乱球!」
黒布男は黒炎の小さな球をアルバルトンに放ち続け、アルバルトンはそれを魔剣・無で全て斬りきざんで無効化していく。
「おのれ!ならば黒炎・・・」
「お主、拙者の言ったこと、覚えてないでござるか?拙者一人ではなく、ここには他の魔王将がいるでござるよ?」
黒布男は背後を見るとすでに遅く、後ろを見た時にはナンレが目の前にいた。
「あなた少し目障りよ〜。後アベさんは死んでないから〜。カスマよりもだいぶマシなのよアベさんは〜。まぁカスマの方がマシとか言うあなたにはわからないかしらね〜」
ナンレは黒布男の方に触れる。
「さぁ存在ごと消えなさい。あなたの種はもうわかったから。行くわよ〜、か・・・」
ナンレが何か言おうとした時、帝王の間のドアがすごい勢いで破壊された。
「あらあら誰かしら〜。こんな勢いよくドアを壊すなんて元気なやつね〜」
「悪いね。魔王が目覚めたって聞いたから飛ばしてきちゃったよ」
そこに現れたのは理人であった。