氷炎
「そんじゃ派手に行くぜ!」
カルナクは頭上高くに飛び道具を投げる。
「目を閉じな。2人とも」
カルナクがチリンと柳に言うと2人は目を閉じる。目を閉じたのを確認した後、カルナクは
「くらいやがれ!魔王に群がる哀れな帝国民ども!武器・能力付与!閃光!」
パァーッとあたりは光に包まれ、目にした帝国民たちはあまりの眩しさに目を閉じる。
「さぁ!今のうちに行けー!」
カルナクが柳とチリンに言うと、2人は走り出し、帝国民の包囲から抜ける。
「さて、私の役目は果たした。生き残れるかはわからんがせいぜい足掻いてやるよ!」
カルナクは一人で帝国民たちに突っ込んでいった。
「おらおらぁ!かかってこいや!群れるしか能がない雑魚どもガァ!」
カルナクは装備している飛び道具の武器で応戦するが、一人では雑魚だらけでも群がり襲いかかる的に対して無傷ではいかなかった。
肩に食いつかれては肩の肉を食いちぎられ、足に食いつかれては足の肉を食いちぎられた。
足の肉を食いちぎられた時点でもう立つこともままならず、座り込みながらも異能力を駆使してどうにか戦っていた。
「本当に魔族になったぽいなこいつら。まさか噛み付いてきて肉を食いちぎるとはな。理性のある人間なら普通はやらねえはずだ。よほどのことがない限り。しかし、これはもうダメかね。足をやられちまったからな」
カルナクは死を覚悟し、群がる帝国民どもを何とか応戦していたが、限界がきており、もうやられると思ったその時、空から謎の攻撃が降り注ぎ、魔族になった帝国民たちを蹴散らしていく。
「な、なんだ。この攻撃。魔族になった帝国民どもが空から降ってきた何かに当たって、くらったやつの体が燃えている・・・」
「私の炎でここにいるものどもを蹴散らす。貴様は魔族でないならここから早急に立ち去れ」
男は動けないカルナクに言う。
「立ち去れとか言われても、足を負傷して動けないんだが」
上空から喋るかける男にカルナクは言い、男は
「ならばできるだけ外してやるからそこから動くなよ。降り注げ!黒炎雨!」
男が手を挙げ叫ぶと、また空から炎が降り注ぐ。まるで雨のようで災害レベルの技を。
「おっと。これでは避けるなと言うのに無理があるな。寒いかもしれないが我慢しろよ。永遠氷・壁!」
カルナクを覆うように氷の壁が現れ、黒炎の雨はカルナクには当たらずに、魔族化した人間を骨一つ残らず燃やしていく。
「それはそのうち消えるだろうから安心しろ。さてと、私は私のやるべきことをやるかな」
男はアワルディア城に突っ込んでいき、カルナクは氷の壁の中に放置された。
城の門前で群がっていた魔族たちは全て黒炎により消滅した。