新しい魔族
「カスマ、お前まだ融合の恩恵使えるか?」
「何を急に、やってみなきゃわからないが使えたとしても一回きりだ。もう魂も現世につないでいるのがやっとだし、自分に対してしか使えないぞ。でこの情報が役に立つのか?もう消えそうな私たち2人に」
カスマがアスラスに言うと、アスラスは
「勿論だとも。私は生きていた時にもうナンレのやつに魔王に与えらた恩恵は奪われてしまったからな。私の能力、氷と永久凍土しか使えない。そしてお前の融合の恩恵使えるならまさに好都合。だが失敗すれば2人とも完全な消滅、現世からももう完全に消えるしかない。本当にその覚悟はあるんだな?」
「御託はいいから早く内容を教えてくれ!本当にもう・・・うぐぅ!」
カスマの魂はもう、アスラスの永久凍土の氷で足?部分を凍らせてももう止まれないぐらいにやばかった。
「く!流石にもう時間がないか。であれば!カスマ!私と貴様の魂を完全に融合させろ!取り込むのではなく、私と貴様の魂を完全に融合させて新たな生命へと生まれ変わるのだ!生き返るかわ、賭けだが何もしないよりはマシであろう!」
「わかった!頼む!後一回だけ、一回だけ支えてくれ!我が融合の恩恵よ!魔王を討つために私の意思に答えてくれ!魔王の恩恵ではなく、私の意思に鼓動しろ!」
次の瞬間、アスラスとカスマの魂は消滅し、お互いにどうなったかもわからなくなった。
帝国から出ようとしているカルナクたち、柳も加わり、2人よりは楽になったが、帝国の民はもとより男が多く、蹴散らしても蹴散らしても後から後から増えていき、きりがなかった。
「全く!本当にきりがないこいつら!どんだけ群がってくるんだよ!これじゃあ進んでいるのかいっこうにわからないじゃないか!魔王が邪魔しないだけまだましだが、これはこれでやばい!」
柳は帝国民を斬りつけながら、苛立ちを見せていた。
「本当に、早く脱出しないと!それに今の状況を狙われたらもう私たち・・・」
チリンもあまりの数の多さに弱気になっていると、カルナクは策を提案する。
「仕方あるまい。ここは私が囮になる。3人で帝国から出たかったがもうそんなこと言ってもいられないしな」
「カ、カルナク!何を言うんだ!囮になるなら私であろう。さ!カルナクと秋月は早くいけ!」
柳はカルナクに言うが、そんな柳に対してカルナクは柳の顔に平手打ちをする。
「な、い、痛い。なぜ今平手打ちを」
「いいか。私はお前たちがいない方が行動しやすいが、お前らがいてはお前らをかばいながら行動しなくちゃならねぇ。だからお前ら2人、先に行った後私も必ず合流する。だから早く行け」
カルナクは柳に言うと、柳は心配そうな目でカルナクを見るが
「安心しろ。お前さんは信用している。短い時間であったが女王様に対しての思いは本当だと言うことがわかった。いいか。私は次に閃光の技を放つからお前たちはその隙に逃げろ。わかったな?」
カルナクは2人に言うと、チリンは了解し、柳も渋々頭を縦に振った。
「そんじゃやりますかな!」