帝国からの脱出
「柳、やっと解放されたのね」
「ああ。やっと解剖されたよ。すまないな君を助けにきたつもりが足を引っ張ってしまって、遅れた分と今まで君に負担書けてきた分頑張るよ。秋月、本当に助かった。ありがとう」
「何を言うの。助けに来てくれたのは嬉しかったし、もとはと言えば私が捕まらなければよかった話だから。帰ってきてくれて嬉しいわ。本当に、また私の力になってくれるかしら?」
「もとより。私はあなたを救いにきて救えなかった・・・。そんな私をまだ使ってくれると言ってくれるのであればこの光剣、いくらでもお使い致しましょう。そしてこの場を切り抜けてどこに向かうんだ?カルナク」
柳はチリンと共にいたカルナクに偉そうに尋ねる。
「私の時は偉そうなのか。全く、お前というやつは。まぁいい。レジスタンスの情報部のことできさまのことは聞いている。この場を切り抜け我々はガイアラン皇国へ向かう。その力、存分にふるってもらうぞ。柳」
あいよ、と柳はいう。
3人は群がる敵たちを能力を使ったり敵を斬り伏せながら帝国を出ようとしていた。
そして、チリンたちが帝国脱出を行なっている間、ある魂が天に昇っていた。
その魂は騙されたこと、利用されたこと、何よりいいように使われて贄にされたことに苛立っていたカスマの魂であった。
カスマはなんとしても魔王に一矢報いたかったが贄になったことで体は消滅し、もはや魂が天に昇るしかできずにいたが、そんなことを認められずになんとか現世にとどまろうとしていた。
しかし、死んで少し時間が経つと無理にでも魂が天に上がっていき、もうやがて天に昇りきるところで、もう一つ、別の魂がカスマの魂に話しかける。
「ここで待っていれば来ると思っていたぞカスマ。やはり私の見立て通りなんとしても魔王に復讐しようとしていたか。待っていたかいがあったというものだ」
「だ、誰だ!私に話しかけないでくれ!もう気を抜いたら私は完全に天に昇ってしまう。だから今は話しかけないでくれ!」
カスマが言うともう一つの魂の方は氷でカスマの魂の足部分?的なところを凍らせ天に上がるのを止める。
「これならばちゃんと話しが出来るであろう。カスマ?」
「この魂をも凍らせる氷は、まさか、お前アスラスか?」
カスマはもう一つの魂の方に尋ねる。
「そうだ。私だ。アスラスだよ。私は君を待っていたんだ。魔王に復讐するためにね」
アスラスがカスマに言うとカスマは
「まさかアスラス!やつに一矢報いる策があるのか!」
カスマはアスラスに聞き、アスラスは
「勿論だとも。しかしこれは君とわたし、2人でなければ成功できない。そして失敗すれば死ぬ。それでもいいならやるかい?」
カスマはアスラスに具体的な内容を聞いてから実行するといい、アスラスは策の内容をカスマに言った。