取り残さられたババラン
その頃のガイアラン皇国では、ダーラスたちが崩れた城の前にたどり着き、ガイアラン王の体を探していた。
「城は無くなっていたか・・・。王様、ガイを逃がすために貴方がここまでやるなんて・・・。分かりました。後のことは私とアルダス、イナハルに任せてください。なので早くどこにいるか教えてくださいー!」
ダーラスは天にいるガイアラン王に向かって何かを言ったと思えば急に一心不乱にガイアラン王の体を探していた。
「全く、落ち着かんか。我々がそれではガイ様に示しが付かぬであろうが。もっと大人の対応をせぬか。いつもできているであろうに急にどうしたのだ?」
近くでガイアラン王の体を探していたイナハルは落ち着きもなく上を見て喋っているダーラスに対して言う。
「しょうがないでしょ。私たちが探しているのは王の間付近、なのにガイアラン王の遺体がないなんておかしいわ!」
「ならばポジティブに考えればよかろう。わし達のなかでは一番貴様が落ち着いておれるだろうが。全く、老人にはガイ様より妖精族の方が荷が重いかね〜」
「イナハル。私はもう妖精族ではないわ。あなたと同じ人間種として扱ってちょうだい。妖精族はもうダークルンに任せたから。私はダーランマをこの手で殺すだけよ・・・ん?」
ダーラスが崩れた城の廃墟の中から1人不気味な男を発見する。
「おい。イナハル。なんか人がいるぞ。気絶してるし、私の知らないやつだ。イナハルはこいつを知っているか?」
イナハルはダーラスに呼ばれ男を見に行く。
イナハルもその男を見て心当たりがなかった。
「はて?わしも知らぬ子の男。一体どこのどいつだ・・・。待て!こいつ敵では?」
「やはり敵なのかな?生き残りなら助けようと思ったけど、こんな王の間があった場所の近くに兵士が倒れているはずはないしね。何しろ王は、私たち以外の警備をこんな大事な時に許さない。おそらく任せたとしてもすぐに殺されているはず。だからここで生きているのはおかしいわ!イナハルさがって!今私がこいつに魔法を放つわ!」
ダーラスは詠唱を始め、イナハルは能力を使う。
「お前の魔法は詠唱長くて遅いからのを。わしが手伝ってやる。くらえ、網網!5枚重ね!」
網が5枚重ねで男に降り注ぐが、網が男を捕まえる前に消滅する。
「何!?」
「はぁ。死んだふりでやり過ごせると思ったけど無理っぽいな。それにしてもカスマのやろう私のことおいてどこかに行きやがって。全く、イラつくぜ!」
男は立ちあがり、詠唱中のダーラスに攻撃する。
イナハルは網で男の攻撃を防ぐ。
「ダーラス!早く詠唱を、おわらせろ!」
「名乗るのが遅れたね。すまないな。我は魔王7将が1人、モンスター神ババラン様だ!」