帝国の滅ぶ日 2
カスマの肉体に近づいた後、魔王はカスマの胸に手を当て、カスマの体は光の粒子になっていく。
カスマは体が動かせずにいたが意識だけはあった。
そして魔王が近づいてきた時、自分の命はここで終わりかと、諦めていた。
(わ、私はこんな死に方をするのか。私は選ばれた魔族だと思い、魔王様のために生きていこうと、そのためにいち早く目覚め、恩恵のおかげでかなりの力を手にしたというのに利用されるためだけとは・・・。はぁ。もうどうでもいいや)
カスマの魂は天へと登っていく。もちろんカスマの魂は魔王たちには見えずただ地獄へと登っていった。
「さて、カスマの能力、全ていただき、我の能力もフルに使えるようになった。まさか奴がここまでいい能力を融合させていようとは特にこの、相手にねじ込んだり攻撃を無効化させるのはとても素晴らしい」
「魔、王様。父上。ど、どこへ行かれるのですか?」
ナンレは魔王に聞き、魔王は
「我はこれからこの人間がはびこる帝国を壊し、魔族帝国を作り上げる。そのために人間を全て今から根絶やしに行く。お前たちは休んでいろ」
「そ、それならば帝国にはダーランマ以外に私たちには劣りますが人間の中では少々できるものが2人いました。彼らを始末してからの方が良いかと。彼らはほかに誰かを探していました。多分そやつも強者かと私は思います」
アベは魔王に進言し、魔王は
「ふむ。それは確かに少しきになるであるな。わかった。我がなんとかしよう。何度もゆうが2人は迅速に休み、我のために使った魔力を回復せよ」
魔王は帝国の人間を根絶やしにするために目覚めた部屋から出て行く。
魔王が目覚め、カルナクたちがチリンのもとに向かっている中、とうの本人のチリンは魔王が目覚めたことも知らず、帝国のことを考え、1人で沢山の問題を処理していた。
「ダーランマに帝国は任せられない。任せてしまえばきっとガイアラン皇国と本格的に戦争に入ってしまう。それだけは避けないと、私はこれと柳のためだけにこの帝国に着いたのだから。たとえ理人に見限られようと、私は彼のために動くわ。彼が私を救ってくれたように」
チリンは書類の山を処理していく。
ダーランマがまだ生存していたとき、彼はチリンを政治利用のためだけに帝国王女の座につけた。そして自衛の為に異能力でない別の力、ギフトも与えた。
ダルキリアとの戦いで負傷し、治療カプセルに入れられた後、回復してからずっと帝王の間で書類の山を処理し続けていた。