アスラスの残したもの 2
「しかしなるほど。ならば貴様がアスラスの残したやつというわけか」
「アスラスというのは誰かは知らぬがお前はアベって名前のやつだろ?ならば目覚めさせてくれた氷の男の願いのために始末させてもらう」
記憶なしの男はアベに装備していた武器を投げつける。
記憶のない男は全身投げ武器を装備しており、逆に近接武器は装備していなかった。
「なるほど。貴様遠距離タイプのやつかな。ならば」
アベは男に接近する。
「ふ、容易な考えよのお!」
男は武器を投げまくり、アベは構わず突っ込むが、男の投げた武器が足に刺さるとその場で動きが止まる。
「な、にぃ」
「どうした?突っ込んでこないのかよ?アベさんよう」
アベはその場から動けずにいた。男の投げた武器が足に刺さりかすり傷かと思えばかなりの激痛を伴っていた。
「こ、んな。弱い武器に。この、私が」
「私の能力ってやつはどうやら武器に何かしらの効果を付与か武器強化の能力らしい。氷の男はそういいこの小さな針のような武器などをたくさんくれた。私をなめてかかるからこうなるのだ」
男はアベに言うが、アベはあまりの痛みにもがき苦しむ。
「ふむ。アベとナンレはかなり強いから全力でやれと言われて能力をフル活用した攻撃をしたけどこれじゃあ拍子抜けもいいとこだな」
「だ、まれ」
「黙れだと?もう立てないでいてただ苦しんでいるやつのいうことなど戯言にしか聞こえないな!」
「はぁ、なめていたことは謝ろう。そして今からは本気で行く。貴様を殺す気でな。簡単に始末するつもりでいたからあまり能力は使いたくはなかったがやむを得まい」
刺さっていた男の投げたものを抜き、またもアベは男に向かって突っ込んでいく。
「まだわからぬか!ならばくらえ!」
男はアベの足に向かって武器を投げる。
アベはまたもや足に攻撃を食らった。
「バカめ!また激痛を味わうが・・・っ!?」
男は急に足を抑え始める。アベがダメージを受けた足を急に自分がダメージを食らったかのようにおさえはじめる。
「ば、かな。なんで私にダメージが。こんなの、ありえな、い」
「ありえないだって?笑えるな。これは貴様らが使う能力と一緒だよ。これが私の能力さ。どんな能力かは言わないがね」
男は足をおさえて苦しむ。
「どうだ?自分の攻撃を受けたような痛みは。どんな感じだ?なぁ?教えてくれよ」
「な、めやがっ、て。なら、もう一度!」
男は足をおさえながらもアベに武器を投げる。
「ふ。そんなに痛みを味わいたいのであれば私はいくらでも受けてやるぞ」
アベはまたも攻撃をわざと受け、男はアベの攻撃をくらった部分にまたもや激痛を感じる。
「ぐ、あぁぁぁぁ!」