ガイアラン城
「待てダーラス。俺たちも行く」
理人がダーラスに言い、その後にイナハル、ガイが続けてついていくと言う。
「俺はダーラスと城に向かうけどマリアルはどうする?」
「私は、う、うーん。どうしよう。なんか今あそこに向かうと妙な寒気を感じて。なんでかはわからないのだけれど。でも理人が行くなら・・・」
「来るなら俺のそばにいろ。それがお前の親との約束だからな」
理人がマリアルに言うと、マリアルはきゃぴきゃぴとはしゃぎはじめる。
「なんだ急に?なんか嬉しいことでもあったか?」
「べ、別にぃ!ないよ!私は理人と一緒ならずっと嬉しいからそれ以外にうれしいことなんてないよ!」
「そうか。それは良かった。でダーラス。俺はマリアルも連れて行きたいのだがいいか?」
「構わないわよ〜。ほら早く行くわよ〜。王様の遺体があれば回収しないと。今このご時世、死体を回収して売りさばくクソ野郎もいるからね〜」
ダーラスは城に向かって歩き出す。その後にガイが続き、イナハルひっそりとガイを守るようにガイの後をついていく。
「ほらマリアル。行くぞ。あ、弓道寺さん!」
「なんだ?崇めるのはもうやめてくれよ?今のお前は私よりも十分強いのだから」
「わ、分かりました。で、実里をおいて行くので出来るだけ安静にしてあげておいてください」
理人は地面に仰向けに倒れ気を失っている実里を指差して、弓道寺に言う。
「先輩は魔王将とやりあってかなりの重症だったので多分しばらくは起きないと思います。できれば治療もできるなら治療もして欲しいです」
「わかった。できる限り治療しよう。お前たち、みんな生きて戻ってこいよ」
弓道寺はダーラス達に言うと
「こんなガイアラーの森付近の場所に生きて帰ってこいとか言われてもね」
「私の前に生きて現れろってことだ。全員な。これ以上誰もかけちゃダメだ。わかったな」
弓道寺はダーラス達に真剣に言うと、ダーラスはちゃんとわかってるというような態度でかえし、ダーラス、ガイ、理人、イナハル、マリアルの5人は城に向かい、弓道寺、アルダス、タルム、ダークルン、オミコはガイアラーの森付近の入り口で待つことになった。
その頃、カスマを捉えた吸血鬼はナンレのもとについて、ナンレにカスマの体を渡していた。
「こ、これでいいかい?ナンレ様?」
「十分よ。さてこれで父上が目覚める素材が集まったわ。ところで吸血鬼。あなた今暇かしら?」
「え?え?え?」