これからのガイアラン皇国
「さて、ガイ王を筆頭にこれから皇国をどう立て直す?奴らはまたすぐ攻めてくるであろうからな。形だけでもしっかりせねば我々の完全敗北だぞ」
カスマが吸血鬼によって攫われている間、理人たちは今後の出方、そしてこれから皇国をどう立て直すかを、ガイを筆頭に考えていた。
アルダスはまだ眠っており、イナハルが仕切り、ダーラスは案を出すような形で今は話し合いになる。
「わかっているわそんなこと。でも奴らにたちうちできる奴がわたし達にはいないじゃない!」
「いいや。今のところまともに戦える奴は1人だけいる。な?鏡理人」
イナハルは理人の名前を呼び理人は頷く。
「俺はカスマによって他者と融合させられ、もう1人のやつの能力とスキルが混ざっている。そのおかげで格闘ならもう誰にも負ける気はしない」
「たしかに理人は戦力になるようになったけど私を含めて他の方たちは全然だわ〜。ガスタたちとの戦いのために少しは実力をつけたつもりでいたけど私たちは敵わない。奴ら魔族には」
ダーラスが魔族というと、地面に寝転がっていたタルムがダーラスに聞く。
「魔族って、あの魔王将?みたいな奴らが他にもいるのか?」
「ええ。今ここにいる貴方たちは皇国の最高戦力になるだろうからいうわね。まず私は妖精族。人間ではないわ」
ダーラスの急な告白に理人、ガイは驚く。弓道寺はまるで知っているかのように頷いていた。
「驚かれているところ悪いけど話を続けるわ〜。時間がないからね〜。私とダークルンは妖精族。そしてもう1人の妖精族がこの世界にいるわ。そいつはダーランマ。私とダークルンの兄貴よ」
理人、ガイはまたまた驚き、理人は間に入って一度
「その話はもっと時間のあるときにしよう。それよりもだ。帝国が攻めてくるなら、それについての会議の方が大事ではないのか?」
「そうだな。たしかに鏡理人の言う通りだわね〜。それに今となってはもうどうでもいい話しだわ〜。私は羽なしなんだし」
「よし話を戻して。それではどうするんだ?たしかに俺は融合させられて力は得たが俺ひとりだけではあいつらは倒せないぞ。それに俺を融合させた本人、カスマの野郎にはさらに融合で力を得ているなら俺でも倒せるか分からん」
「そうよ。それよ!ところで魔王将のカスマは倒したの?それを聞いてないわ!」
「それはすまないが俺が奴にはめられて見逃してしまった。奴が王の間に行ったのは俺のせいでもある。すまない」
理人が珍しくダーラスの前で頭を下げる。前の自信満々の理人からは考えられない行動にダーラスはむずがゆくなり
「い、いいわもう!それに早く行動しないと!私はとりあえず城に向かいたいのだけれどだれかアルダスとタルムが完全に回復するまでみていてくれないかしら?」
ダーラスが周りにいた理人たちに聞くと弓道寺夫妻が
「私たちがここでこの2人を守る。だから安心してみに行くといい」
弓道寺が言うとダーラスは納得し、城に向かおうとする。