魔王復活!?
「私だけが凍るなど、あなたになすすべもなく負けるのだけはいやです!私はたしかに魔王様の魔力のおかげでここまでやれましたが、私を利用しようとしたあんたにだけは負けたくない。だが勝てないのであれば共に凍ろうではないか」
ダーランマはアスラスに言うが、アスラスは急に笑い始める。
「は、ははは!はっは!はーっはっは!」
「な、何だ!何がおかしい!」
「私が、この氷の魔王将である私を凍らせるだと。あまり笑わせないでくれ、腹が痛くなってしまう」
アスラスは瞬時に凍って行く自分の体の氷を溶かしていく。
「な!?」
「大事な大事な魔王様の器だ。傷はつけたくないんだから早く凍れよ。もともと私はお前が嫌いだ。妖精族が私達を復活させたからといっておまえに使われる理由はない」
「そ、そんな。私は、私は魔王将の方々が復活さえすれば身を引こうと、そう思っていたのに、なぜそんなことを言うんです!」
ダーランマは自分の体が凍っていく中、アスラスに必死に聞く。
「そんなものは人それぞれの考えさ。私は魔族主義なんでな。妖精族は大嫌いだ。魔王様に重傷を負わせ封印までした、妖精王の息子などもってのほかだ!」
「な、ぜ、私、が、妖精、王、の、息子だ、と」
「お前は妖精の中で独特な魔力の流れを感じるからな。普通の妖精族は透き通ったような。すぐに空っぽになる感じの魔力の流れだが、貴様は違う。貴様は魔力をうちに溜め込みすぎている。そんな妖精族は私は見たことがないから妖精王の息子だと判断したわけだ。違うか?」
「う、あ、あ、くぅ」
ダーランマを襲う氷はもう口元にまで近づいていて、まともな反応が出来ず、アスラスに対して、変わった返事しかできないでいた。
「やっと凍りついてきたか。さぁゆっくり眠れ」
「・・・、ク・・・ト」
ダーランマは小声で何かを言い、アスラスはたまたまダーランマの口もとに目がいき、何かを言っていたことに気づき、ダーランマのそばにまで近づき、耳を近づける。
「あ?なんか言ったか?」
「リ・・フ・・・レ・・ク・・ト」
「!!」
ダーランマの言葉を聞いた瞬間、アスラスの体をアスラスがダーランマを氷漬けにした位置までアスラスの体を覆う。
「ぬぉぉぉ!こ、これを、狙いやがったのか!こんな、ぎりぎりに、まで!」
「に、、、ぃ」
ダーランマは最後の力を振り絞ってアスラスに対してにやける。凍っていくダーランマはもはや氷漬けになるのにまるで勝ち誇ったかのようにアスラスに笑い顔を向け、凍る。
「・・・これは、やるしかないのだろうな」
アスラスは一言、言うと自分の体の氷と、ダーランマを襲った氷は瞬時に砕け散る。
「解除」
パリーン!