ガイアラン王の隠し子
「す、まないな。も、っと、早く、おしえ、たかった、のだが、私には、もはや、無理らしい」
「お、王様・・・。すまない、守といったのに守れなくて」
ガイアラン王の前でガイは必死に謝り続ける。
「大丈夫だ。お前が生き残って、いる、なら、まだ、大丈夫、だ」
「お、王様、何を言って」
「なぜ、奴ら、と、たたか、う前、に、お、前の、心配を、したか、教えてやる。お前は、私とある子の息子なのだ」
ガイはガイアラン王の衝撃発言に驚く。
「な、いま、そんな嘘をつかなくても」
「こんな時に冗談など言わないよ。なんせもう死ぬからな。身体がもう半分は灰。もう喋るれてるのも異常だと思うさ」
「で、でも私にはちゃんとした父さんと母さんが」
「それは私がガイ、君のために用意した親だ。あの2人は本当の夫婦ではない。ただガイの前では夫婦らしくしろと命令したのだが、お互い住むうちに互いを好きになったらしく、結婚した。だからお前が物心ついた頃には夫婦だったのかもしれない」
「お、王様。私はまだ信じられないよ。だって王様意外に饒舌に喋ってるし」
「それはお前にみっともないところは見せられないし、最後が泣いて終わりだなんてそんなの私は嫌だからな。伝えることは伝えるさ。それからお前はすぐにここをされ、もしもお前が私の息子だとばれれば狙われる危険性があるからな。わかったか・・・ごふっ!」
ガイアラン王はそこまで言うと、急に口から血を吹き出す。
「は、はぁはぁ。どーやらお迎えが近いらしい。顔から下の感覚がもはやねえな」
「お、王様!」
「いいか、ガイ。お前の本名は、ガイラ・ガイアラン。これがお前の本名。今まではバレないようガイと名乗らせていたが、もしも王として、このガイアラン皇国の先頭を歩く場合はこの名前を使え。もしもの時のために奴らに伝えてある。そして最後に渡したあの剣」
ガイアラン王はガイアランセイバーのことを首でくいっと剣のある方向をさしていう。
「あれはガイアランセイバーと言い、ガイアラン王族にしか使えぬ伝説の聖剣。あれだけはどんなことがあっても相手に渡してはならぬ。あれが私たちが異能力意外で唯一戦える武器であるからな。あれがなければこの先の戦い。恐らくはのりこえられぬ。だから死んでもあの聖剣は守れ!わかったな?」
「わ、わかったよ。王様。最後に私からもいいかい?・・・父さん」
「あ、あぁ。手短にすませてくれ。もう意識が」
「私の本当のかあさんは何処にいるの?」
ガイアラン王はガイの質問に答えない。
「それはすまないが教えらない。さぁ、タイムオーバーだ。後のことは任せたぞ我が息子よ」
ガイアラン王はガイの母親については一切喋らず、そこでもう力尽きたのか、一切喋らなくなり、やがて身体が灰になって燃えかすだけがその場に残った。