ガイアラン皇国の崩れ
「トドメだ。魔王将、安心して死ね」
ガイアランセイバーをカスマにふりかざし、カスマに向けて降り下ろす。
「残念だがそれはダメだ。まだそいつには利用価値がある。殺されては困るのだ」
「!?な、何奴!」
ガイアラン王は声のした方向を向く。
しかし声のした方向には誰もいない。
「遅いな。それにカスマ。貴様自分で取り込んだ能力を忘れているんじゃないのか?なぜ使わない?」
謎の声がカスマに言う。
「そ、んなも、ん。できるなら、とうに、している!」
「なるほど、それほどこいつの圧がすごいということか。では手伝ってやろう。感謝しろよ。私は魔王将の奴らなどどうでもいいが魔王様が復活した時に1人でもかけていてそれを嘆くのを想像すると心が痛いからな」
「どこにいる!隠れてないでさっさと現れろ!この臆病者が!」
「臆病者か。それは少し違うな。だがそこまで言われるのであれば我が闇の眷属を派遣してやろうではないか」
謎の声が囁いた後、黒い穴が現れそこから人影が現れる。
「!?な、何だこれは!」
「魔王様のようにはいかないが私には私にしか使えぬゲート。通称、闇ゲートだ。私の眷属が出たならそいつを倒すといい。まぁそのままカスマを抑えながら倒せるのであればな!」
ガイアラン王の背後から闇のゲートから現れ、刺客はガイアラン王に向けて歩いてくる。
「くっ!ガイ!そいつを抑え・・・ぐっ!」
「はぁはぁ。どこの誰だか知らないが、助かった。これで貴様はもう確実に死ぬ」
ガイアラン王が一瞬刺客に気を取られた瞬間に、カスマはガスタを取り込んで得た能力、ねじ込みを使い、ガイアラン王の腹部に黒炎をねじ込む。
「わ、私がここで死ぬとは。だがガイがいてくれて良かった、ガイ!」
ガイアラン王は自分の体が黒炎によって燃え尽きる前にガイアランセイバーをガイに向けて投げつける。
「お、王様」
「すまないな。自分から前に出ておいてやられてしまうとは。ぐぅぅ、はぁはぁ。とりあえず、奴らを飛ばす!」
ガイアラン王は一度大きく息を吸い、叫ぶ
「うぉぉぉぉぉ!」
「な!」
謎の声はガイアラン王の咆哮でゲートが閉じ、人影も消えて無くなる。
「くぉぉぉあ!」
カスマはガイアラン王の咆哮により吹き飛ばされ、城の外に無理やり追い出される。
「は、っ。はぁはぁ。こ、れで、敵は、いないな」
ガイアラン王は地面に倒れ込み、ガイはガイアラン王のもとにかけよる。
ガイアラン王の体の半分、下半身部分はもはや黒炎で燃え尽き、灰になっていた。
「ガイ、いまか、ら。おまえ、にしん、じつを、つたえ、る。こ、ころして、き、け」
ガイアラン王は少ない時間でガイにあることを語るのだった。