威圧
「バカな、私の黒炎がなぜ」
「あんましこの能力は使いたくないんだけどよ。こんなに口が悪くなるからよ。王族としてこんなに口が悪いのは私の主義に反する。だからこそ冒険者もやめたのだ。いづれ強いモンスターが現れてしまってはこれを使わねばならなくなるからな」
「く!ならば」
カスマはガイアラン王に向けて黒炎を玉状にしひたすら投げまくる。
「おらおらおらおらぁ!」
「無駄なことを。数打てば当たるとでも思っているのか。私の能力はそんなやわではないんだよ!私に向けられた攻撃よ全て散れ!」
パーンっと一斉にカスマが放った黒炎はその場で散る。
「ならば接近戦で行くまで!私の拳はすでに黒炎。これならば貴様に当たるはずだ!」
カスマは接近戦に持ち込もうとガイアラン王に接近する。
「なるほど。私に接近してその黒い炎の手で私を殺そうと、そういうことだな?」
「その通りだよ!」
カスマはガイアラン王の近くにまで接近し、黒炎の腕で殴りかかる。
「この魔王将の1人、黒炎使いのカスマを舐めるなぁぁぁぁ!」
「何を言っているかは知らないが舐めているのであれば私はこの能力を使ったりはしない。お前が強敵であるからこそ使うのだぞ、黒炎使いのカスマとやら」
ガイアラン王はカスマのラッシュを全て威圧をかけて無効化する。
「はぁはぁはぁ。この私が人間なんぞに、人間なんぞにぃぃぃ!」
「ふん。確かに貴様は強い。だが相性というものがある。ガイが貴様に勝てないように、貴様の攻撃では私は倒せぬよ。どうあってもな」
「ありえない!ありえない!こんなことはありえぬ!私は余裕を持ってお前を倒すはずなんだ!なのにこんな結果」
カスマはガイアラン王がすべての攻撃を無効化していることを認められずに無我夢中で攻撃する。
「さて。私も暇ではないのでな。そろそろ終わりにさせてもらおうか」
ガイアラン王は攻撃を続けるカスマに対して言う。
「いい加減に目障りだ。私の前で頭がたかいぞ。ザコ」
「な、に。がっふ!」
カスマは勢いよく地面に叩きつけられ、身動きがとれない。
「お、のれぇぇぇ!わた、しをどこ、まで、こけに、すれば、ぁぁぁぁ!」
「待っていろ。今裏切り者のアムライの魂ごと葬ってやる」
ガイアラン王は自分の座っている王の椅子にまで向かう。
「この王族にしか使えぬ剣、ガイアランセイバーで貴様を打つ。この剣の前ではあらゆる能力は無効となり物理攻撃も必ず当たる。たとえ特殊な生命体であろうとな」
椅子の後ろにさしこんであった剣を抜き、またカスマに近づく。
「く、くそぅ、くそがぁぁぁぁ!」
カスマは悲痛に叫んでいた。