ガイアラン王の能力
「後のことは私がやろう。それがこいつの願いだからな。貴様、ガイアラン王が冒険者に戻らなければ殺せと、それが叶えばもういいっていうのがこいつの願いさ」
「アムライ。そこまでして私を冒険者に戻したかったのか。しかし私は王族になるからと断ったはず。余計な詮索もするなとあれほど言ったのに」
「こいつはずっと内に秘めてたのさ。あんたが復活するのを願ってたのに。冒険者として復活し、もう一度一緒に冒険できる日をずっと夢見てたのさ」
カスマはガイアラン王にアムライの願いの内容を言う。
「さて。それでは始末させてもらおうかな。それでこいつの体は私のものになるのだからな」
カスマは手から黒炎を出し、ガイアラン王に向けて放とうとするが、ガイが間に入る。
「王様はやらせない!この皇国のために!」
ガイは剣で上から斬りかかり、カスマの右腕を切断する。
「どうだ!少しは効いたか」
「ふ、残念だったね。私の腕はすでにないのだよ。そして斬り落とされたとしても」
カスマは斬り落とされた右腕を黒炎で生やし、それを右腕に変える。
「こうすることにより右腕に変わる。だから無駄なことはやめるんだな。私には物理攻撃は効かない。君が物理攻撃しかできないのならやめることをお勧めしよう。熱い戦いは好きだが結果のわかる戦闘ほどつまらないものはないからね」
「くっ!近接戦闘ならなんとかできるのに、物理攻撃が効かないとなれば一体どうすれば」
ガイが悩んでいるとガイアラン王はガイに声をかける。
「ガイ、君は下がれ。君が今使えないとわかった以上無駄なことはさせたくない。ここは私がどうにかしよう」
「そ、そんな。王様!それでは私の来た意味が!」
ガイはガイアラン王に異議をとなえる。
「心配するな。死にに行くわけじゃないし、いざとなれば君が助けてくれるだろ?だがもし私が死ぬような攻撃を受けた場合は後を頼むぞ、ガイ」
「お、王様」
ガイはおとなしく引き下がり、ガイアラン王は自分の玉座から立ち上がり、ゆっくりカスマの方へと向かう。
「ふっ。そんな隙だらけで真っ直ぐこちらに歩いてくるとは自ら殺してくださいと言っているようなものだな。それじゃ、これでもくらえ!」
カスマはガイアラン王に向けて一直線に黒炎を放つ。
「はぁー。今は王様だから威厳が大事だと思ってこれは使いたくなかったんだが、今は非常事態だ。これを使うしかあるまいよ。ではいくぞ」
ガイアラン王に黒炎が当たりそうになるとガイアラン王は言う。
「散れ!」
ガイアラン王は威圧をかけると黒炎はそこで消滅した。