選ばれた最後の魔王将の依り代
「なんだもう終わりか。まぁいいやもう飽きてきたし、お前もういいよ。なんか望みとかあるかい少し僕を怒らせたご褒美に叶えられる範囲でならその願い、一つ叶えようではないか」
アベはテムルナに言うが、テムルナは意識が朦朧でアベの話が頭にうまく入ってこない。
「アベさん。彼は今頭にうまく入らないと思いますよアベさんの話。なんせ意識が絶え絶えですから」
「しかし、僕の衝撃波をうけて生きているのだから少しの慈悲くらいはあげないと。どうしたらこやつの願いがわかると思いますか、ナンレ様」
「仕方ありません。彼の脳の中を見て、願いをのぞいてみましょう。そして彼の野望をね」
ナンレはテムルナに近づき、テムルナの頭を握りつぶす勢いで掴む。
「あだだだ」
「さて、意識を戻した後はこいつの頭を覗くのよ。こいつの望みは・・・ふむふむなるほど」
ナンレはテムルナの頭の中を覗き込み、テムルナの考え、望みを見る。
「分かりましたか?ナンレ様」
「えぇ。わかったわ。こいつの望みはバイセン・アクトーに復讐することね。うーん」
「どうするんですかナンレ様。僕はこいつを送り届けたいですがナンレ様がダメと言うのであればやめておきます」
アベは最終的な判断をナンレに決めさせ、ナンレは少しの間考える。
その間無理矢理起こされたテムルナは痛さの反動でまたもや眠る。
「いいわ!こいつの願いを叶えても。でもただ叶えてあげるだけじゃつまらないわ。私たちは魔王将よ。寛容であり、戦術は非常でないと」
「で、どうなされるのですか?」
アベはナンレに聞くと、ナンレは笑いながらテムルナに近づき、頭に触れて何かをテムルナの頭から流し込む。
「ふふふ。あははは!はっはっは!」
「ナンレ様。何を入れたんですかー。僕にも教えてくださいよ〜」
「みてからのお楽しみよ〜。それじゃこいつの頭から見たガイアラン皇国?の場所に飛ばしましょう。魔法は妖精族しか使えないけど私たち魔族は魔族なりに同胞や人間を送り込む能力はあるんだから」
次の瞬間テムルナの前にダーランマの使うゲートのようなものが現れ、ナンレはテムルナを放り込む。
送り込んだ後ナンレとアベは、映像魔法のようなものまで作り出し、映像でテムルナがどうなっているかを見る。
「さてさて私のバーサークの呪いどれだけ効果があるかねぇ」
ナンレは映像越しでテムルナがアルディンの手を食いちぎったあたりを見てにやけていた。
「効果はめっちゃあるな。流石私!」