魔王将の遊び
「うぉぉぉ!俺の攻撃が一発でも当たれば奴を倒せるのにぃぃぃぃ!」
テムルナは叫びながら手刀でアベに向かって攻撃するが、一撃もアベには当たらずかすりもしていなかった。
「ふっ。さっきから君のセリフは鼻でしか笑えないよ。僕に一発でも当たれば僕を倒せるだって?そんな妄想は抱くのは止めることをオススメするよ」
アベが言うと、アベといたもう1人の女は
「まぁまぁアベさん。私たちは寛大であるから一撃くらい貰ってあげたらどうですか?それで満足するならくらってあげましょうよ」
「・・・わかりました。あなた様が言うのであれば一撃くらいもらってあげましょうかな!さて。あのお方に感謝して僕に一撃くらわせるといい。さぁ!きなさい!」
アベは防御しようともせず両腕を横に伸ばして自分は無防備だといったような態勢になる。
「舐めやがって!今その貴様らのおごりを後悔させてやる!くらいやがれ!」
テムルナはアベの腹に手刀を放ち、アベは見事に貫かれる。
「ごっは!」
「そして爆破!」
ボンッ!
アベは爆風と共に消え去り、テムルナは勝ったと勝手に確信した。
女は勝利を確信していたようなテムルナの顔を見て笑いだす。
「ふっふっふ。あっはっは!」
「なんだ?信頼していた仲間がやられておかしくなったか?まぁあんたがくらってやれとか命令しなければあいつ死なずに済んだのにな」
「本当に愚かだな人間とは。私がアベが死んでおかしくなったと。本気で思っているのかな?」
「無論だ。違うのか?実際爆風から奴は出てこな・・・」
テムルナは爆風のあった方角を見る。
そこにはダメージを負ってない状態でアベが立っていた。
「ば、ばかなぁ!そんなはずは!たった今!貴様は俺に腹を貫かれ、爆発で吹き飛んだはず!なのになぜ無傷で!」
「今僕が生きて立っているのが現実だよ。夢でも見ていたんじゃないか?僕の腹を貫き、そして爆発させて吹き飛ばしたと」
「そんな。たしかに感触はあった!あてた感触はあったしたしかに殺したはずだなのに・・・」
「いい加減にうざいなぁ。認めればいいだろもう。これだから人間はめんどくさいんだよ」
「ならばもう一回貴様を!・・・う!」
テムルナは急に口から血を吐き出す。
「な、な、な、なんじゃこりゃぁ!」
「ふ。さぁ残酷な遊びを始めようか。僕にとっては有意義で君にとっては残酷なね」