新たに目覚めし2人の脅威
「う、俺は一体今まで何を・・・。ダーランマと何か話していたことは覚えているのだが」
テムルナはリングの上で目覚め自分の状況を確認していた。
「うん?知らぬうちに傷が治って・・・。それにこのリングのような場所はどこだ?一体今俺はどこに」
「やぁやぁテムルナ。目が覚めたかな?」
映像の魔法でテムルナの真横にダーランマの顔が映像越しに見える。
「ここはどこだ?俺をいったいどうするつもりなんだ?」
「やだなぁ。カスマ様から聞いてないんですか?なら説明しましょう!今からそこにいるあるお二方と戦ってもらうんだよ。それで生き残れたら解放してやるよ。しかし負ければ君は死ぬことになる」
「な、そんなの俺は聞いてない。カスマ様には傷を治してからでなおせと」
「なるほど。カスマ様は言わなかったのか。ならはっきり私の口から言おうかな。君はカスマ様に逆らった時点でもう捨てられている。最後のチャンスとしてこの機会を与えてもらっただけありがたいと思うがいい。では健闘を祈るよ。ふふふ、はっーはっは!」
ぷつん!
映像の魔法はそこで切れ、テムルナは自分とは反対方向に立っている男と女を見る。
「くそ!カスマめ!俺をもう道具としてしか思ってないようだな!ならばいい!お前の思い通りにいかないことを思い知らせてやる!」
「なぁ聞き違いかな?人間ごときが私たちを倒すって言ってるよ」
女は言い、男もいう。
「ああ、僕にも聞こえたよ。でも僕たちは寛大だから人間の戯言ぐらい許してあげようよ。なんせ人間は愚かな人種。僕たちの依り代になるくらいしか価値はないんだからさ」
「おい。聞こえているぞ。貴様らみたいな奴らとこのテムルナ。同等だと思われては多いに困る。そこら辺の人間は持てない、能力二つを有しているのだからな!」
テムルナは男と女にいった後、距離を詰める。
「ほう。であれば僕が相手をしていいかい?」
「アベさんが相手しますぅ?私でも良いですよぅ?」
女は男の名前をアベと呼ぶ。
「ふっ。アベとは人間みたいな名前だな。人間をコケにしたくせによ!」
「ふっ。その程度の挑発にはのらないよ。でも少し痛い目にあってもらおうかな。この魔王に2番目に近いこの僕を舐めたことをね!」
テムルナはアベに向かって自慢の手刀をかます。
「シッ!シッ!シッ!シッ!」
「ふっ」
アベはテムルナの手刀を避け続ける。
「くそ!なぜ当たらない!」
「ふん。やはり人間などこの程度。で、もう終わりか?終わりなら僕が攻撃させてもらうよ」
「くっ!まだまだぁ!」
テムルナは諦めずにアベにくらいつく。