アルディンの願い
「パール・スラの弟とか言われても私のわからないんだけれど〜」
「え?兄さんってそんなに皇国では名前知られてないの?」
ダーラスの返答に思わずアルディンは驚き、思わず言ってしまう。
「アムライ7のことなのかもしれないわね〜。私奴らが大嫌いだから名前覚えたとしてもすぐに忘れるようにしてるから〜」
「そうなのか。その件はならばいい。ここにテムルナ・ガクという男がいなかったか?魔王将カスマ様と後2人男がいたはずだが」
「男2人のうち1人は知っていたから多分もう1人の方ね〜。そいつなら先に帝国に帰らされたようだわ〜。戦力外か何かは知らないのだけれどね〜」
ダーラスはアルディンにいい、アルディンは頭に手を当ててため息をつく。
「くそぅ。入れ違いか。しかも帝国に帰ったとなれば奴をうてる機会が・・・」
「そっちの事情は知らないけれど用がないならどこかに言ってくれないかしら〜。私にも用事があるのだから〜」
ダーラスはアルディンに言うと、アルディンはこの場を去ろうとする。
「はぁ。あんなババラン様に説明までしてみんな連れてきてもらって私だけ望みが果たされないのならばなぜ戻って来たか分からないや。まぁいいや。とりあえず、城に戻ってババラン様に加勢しに行こうかな」
アルディンはそこまで言うと次の瞬間、背後に殺意を感じる。
「あなた、まさか城に行こうというのかしら?ならば話は別よ。あなたはここで始末するわ」
ダーラスは杖を構える。
同様にアルディンも腰にかけていたレイピアを構える。
「くっ。この殺意、私は今何も言わないでさればこんな戦いをせずに済んだのでは・・・」
「喋ったじてんでもう遅い。あなたを今すぐに処理するわ〜。風よ!我が身にやどり、近く敵を切りつけよ!ウインド・アーマー!」
ダーラスの周りに風が吹き、何かをまとったようなオーラを放つが、アルディンは構わずにレイピアでダーラスを突こうとする。
「せい!」
しゅっぱ!
「・・・え?」
アルディンは次にレイピアの先端部分を見たとき、尖っていたレイピアの先端が切れていた。
なぜ切れていたのかアルディンは分からずに一瞬の隙が生まれる。
「な、なんで先っぽが切れて、こ、これじゃあ切れ味が悪くてやつを切れないし突くにしてもなかなか刺さらない!」
「何を言っているのか分からぬが普通に刺さりはすると思うのだけれど?ほら!私に刺しにきなさいよ!」
ダーラスはアルディンを煽り、自分の間合いに入れようとする。
アルディンは逆に不気味がり遠くへと離れていく。
「ひ、ひぃぃぃぃぃ!」
「こいつ、私のことが怖いのかしら?この程度なら城に向かったとしても・・・。いや、やはりここで始末しておかねば!」
ダーラスは次の瞬間詠唱を始めるが、その時、アルディンの背後にゲートの魔法のようなものが現れる。
「え、」