アルディンの求めたもの
「お父さん。一体あの男に何をしたの?」
「ん?」
バイセンのもとを去った後パルアンの娘は言う。
「ん?じゃなくて、あの男に触れた瞬間、あの男急に動かなくなって、なんか動くだけの人形みたいな」
「詳しいことは言えないんだ娘よ。ただ私の能力であの男は私の操り人形のようになっただけ。それだけだよ。さて、私の娘」
急に真顔でパルアンは娘に言う。
「な、何お父さん。急に真顔で」
「私とアワルディア帝国で住まないか?」
「え、お父さん急にどうしたの?」
パルアンの娘はパルアンに言い、パルアンは理由を説明する。
「私は可愛い娘を助けるために私を救ってくれた方にガイアラン皇国に連れて行ってくれるように頼んだのだ。そしてその願いが果たされれば私は彼に一生従属すると誓った。しかし私はお前が心配だから置いていけない。だからとうさんと一緒にアワルディア帝国に行こう。な?」
「そ、そんな急に言われてもわ、私まだそんな簡単にこのお母さんの生きていた国を捨てることなんて」
パルアンの娘は深く悩むがパルアンはなんとか説得する。
「なぁ頼むよ。私の可愛い娘。な?」
人を操るような目で見てきた父親に娘は怯えていく。
「い、いやぁ。近寄らないで!今のおとうさんは昔のお父さんと違う!あなたは誰!」
「何を言ってるのかな?お父さんはお父さんだよ。おかしなことを言う娘だね。父親が娘の安否を心配しちゃいけないのかい?」
「たしかに心配するのは当たり前だけど今のお父さんは何か違う!だから私はお父さんとはいけない!今決めたわ!」
「!?。お前、そんな、父親の言うことがき、聞けないのか!う、う、う」
「お、お父さん?大丈夫?」
娘は急に頭をおさえながらしゃがみこんだパルアンに言う。
しかし、パルアンは接近してきた娘の手を握り最低なことを行った。
「!?」
「こんなことしたくはなかったけど言うことを聞かないのであれば仕方ない。次に意識を取り戻した時にはお前は父を嫌いになっているかもしれないな。こんなとうさんを許してくれよ」
父親のそのセリフを聞いた後パルアンの娘の意識はそこで途絶え、娘の目は虚ろとなりただ動くだけの人形のようになった。
パルアンが娘を取り戻し、無理矢理アワルディア帝国に連れて行くことを決めていた時、別行動をとっていたアルディンはタルムの治療をしていたダーラスのもとに訪れていた。
「お前がダーラスか?」
ダーラスのような女を見かけたアルディンは尋ねる。
女は
「人に名前を聞く時はまず自分から名乗るものが礼儀でしょ〜」
「これはこれは失礼した。私の名前はアルディン・スラ。パール・スラの弟です」
ダーラスはパール・スラの弟ですと名乗られてもパールのことは知らないでいた。