バイセンVSパルアン
「やっと会えた。娘よ。今父さんが助けるからな」
「お、お父さん。今までどこに。ずっと探してたんだよ!」
パルアンの娘はパルアンに向けて言う。
パルアンは申し訳なさそうに
「すまないすぐに帰りたかったのだがアワルディア帝国で奴隷にされてな。帰るに帰れなかった。しかし私を助けてここまで私を導いてくれた方がいた。だからこそ私は今ここにいる」
「そうなの?でもよかった無事で。こんな危険な目にあってから会えるとは思わなかったけど」
パルアン娘は軽く皮肉を言い、パルアンは苦笑いでいた。
「なんなんだ君は。いきなり現れて。僕の邪魔をしないでもらおうか」
バイセンは腰にぶら下げていた刀を抜き、パルアンに刀の先端を向ける。
「邪魔をしないでもらおうかも何もその娘は私の可愛い1人娘だ。邪魔するに決まっているだろう。さぁ、大人しくその娘を私に返せ。そうすれば何もしないでこの場から去ってやる。貴様は他の人から恨みをかいまくってるらしいからな。私はあまり君に手を下したくないんだよ」
「ふっ。そんな自分が手を下さない風に言わなくていいんだぞ。僕には敵わないからその娘を私に返してくださいといえば考えてやらないこともないぞ?」
バイセンがパルアンに言うと、パルアンははぁとため息をつき
「たしかに以前の私であれば敵わなかったであろうな。弱い冒険者であり、自分自身の能力すら使いこなせずどこの奴隷商かも分からない商人風情にやられるようではな。だが私はあのお方のもと鍛えられた私は以前とは比べられないほど強くなっているのだ。だから大人しくその娘を渡せ」
「けっ!なら僕に示して見なよ!僕より強いってとこを。僕だってもとはアムライ7と呼ばれた男。それなりに実力には自信があるのさ。さぁかかって・・・」
「うるさいなぁわかったよ」
パルアンは腕をバイセンに向け、掌を大きく広げる。
「不用意に僕に手を向けるとは。目の前で刀が向けられているのが分からないのか?」
「うるさいって言ったろ。もう口を閉じろ弱者」
「弱者と呼んだこと後悔するがいい!」
バイセンは刀を振り上げ、パルアンの腕に向けて振り落とす。しかし、そこで一度、バイセンの意識は途絶えた。
次にバイセンが意識を取り戻した時には、パルアンの娘の拘束は解けており、パルアンのもとに娘は移動していた。
「な、んだと、」
バイセンは起きた状況が理解できずに驚きを隠せないでいた。
「私の用は済んだ。ではな」
パルアンは颯爽とバイセンのもとから去っていき、バイセンはただ呆然と立っていることしかできずにいた。




