羽根なし
「や、やめて〜。やめてダーランマ兄!」
「何をやめるんだ可愛い妹よ?お前の減らず口を減らすために邪魔な魔力の源、妖精の羽をむしってあげようという兄の優しさではないか。そう嫌がらずなすがままにされておけ」
ダーランマはダーラスの羽に手をかけ、一枚、むしり取る。
ビリャ!
「あー、あっあ、あー!」
ダーラスは自分の羽を一枚ちぎられ叫び声をあげる。
妖精の羽は魔力の源でもあり、妖精には必要不可欠なもののため一枚でもちぎられれば死ぬような痛みを感じ弱いの妖精族なら気を失うか、死に至る。
「あっはっは。これは楽しいな。いつも見下していた可愛い妹様がそいつに羽をむしられ痛みを感じながら叫ぶなど。実に楽しいよあっはっは!」
ダーラスは痛みのあまり地面に転がり、ダーランマは笑いながら痛みで転がっているダーラスを眺める。
「はー、はー、この腐れ兄ぃ!」
「まだそんな口を聞くか。兄の情で殺さずに羽をむしるだけにしてやったのに」
「情だぁ?嘘つけよ腐れ兄ぃ!殺せないだけだろ!むしろ私の羽をむしって弱ったところを殺すという弱い奴の発想の殺し方しかできないんだろ?だからお前は弱いんだよ腐れ兄い!」
ダーラスは言うとダーランマのかんに触ったのか初級魔法でダーラスを攻撃し続ける。
「この!この!この!いつまで私を見下す気だこのクソ妹!」
「あっははぁ。その方があなたらしくて、いいわよー、馬鹿兄貴」
ダーラスは初級の魔法を食らいながらもダーランマを挑発する。
「この!フレイムショット!フレイムショット!」
「っっっつ!けどこのちまちました攻撃の方がダーランマ兄らしいよ〜」
ダーラスはそう言った後地面で気絶する。
「ふぅ。やっと気絶したか。これで作業が楽になる」
ダーランマはダーラスに近づき、残りの羽に手をかける。
「さぁこれでお前は魔法をうまく使えなくなりなおかつ妖精族としての人生はほぼ終わりだ」
ブチ!ブチ!ブチ!
ダーランマはダーラスが気絶している間に残りの羽をちぎる。
「さて、後はこいつを人間の奴隷とやらを扱っている者に渡せば私なりのこいつへの復讐は完了だ。これからは楽しい人生を送るといい。屈辱にまみれたな」
ダーランマはダーラスを脇に挟んで妖精の国を出る。
ダーラスは意識が戻っていたが羽をむしり取られたあまりの痛みに喋ることができずにいた。
そしてダーラスは奴隷商人に売られ、ガイアラン王に買われるまで散々な人生を送っていた。