忘れられていたレジスタンスのリーダー
「さて、ギルドから病院までは近いが多少は時間がある。少し話ながら行かないか?ダーラス」
アルダスはダーラスに言うが、ダーラスはまだ納得できずにいるのでそっぽを向きながら
「今のあなたと喋ることなど何もないわさっさと行きましょう。これ以上私の嫌がるようなことをするなら例えあなたでも燃やすけどね」
「おー怖い怖い。ならばついてくるだけでいい」
「言われなくてもそうするわ」
アルダスとダーラスは沈黙のまま歩き続ける。
そして数分後・・・
「ふぅ病院に着いたぜ。それじゃイナハルの病室まで行くか」
病院に着いた2人はアルダスのいる病室に向かう。
イナハルの病室の扉まで行くとダーラスは言う。
「私はここにいるから早く済ませて帰って来て」
「わかったよ。それじゃあ行ってくるから」
アルダスは病室の扉をあけて入る。
「イナハル?起きてるかーい?まぁまだ寝たきりだろうな。だからダーラスのやつも」
「ダーラスがどうかしたのか?」
アルダスは驚く。まだ寝たきりだと思っていた男の声が病室からはっきり聞こえたからである。
「何を驚いている?ワシが起きていてそんなに可笑しいか?アルダス」
「イ、イナハル。あんた意識が戻って・・・」
アルダスはイナハルの顔を見ると号泣する。
「何を泣く必要がある?ワシの顔なんて飽きるほどに見てるだろう?」
「そういう問題ではない。そういう問題じゃーないんだよイナハル。お前の元気そうな顔を見れて俺は嬉しい」
病室のベッドで上半身だけ起こし背中を腰掛けているイナハルにアルダスは言うが、イナハルは
「全くアルダス。お前いつからそんな目が腐った?ワシのこの状態を見てよく元気な姿とか言えるな。まぁもう退院は出来るらしいが」
「元気じゃないか」
アルダスは一言いい、腕で目をこすり涙を腕にこすらせる。
「で、ただ見舞いに来てくれたわけじゃないんだろ?この老骨をまだ使うのか?」
「話が早くて助かる。実は・・・」
アルダスはガスタ一味と明日の夜戦うこと、ダーラスと俺だけじゃ不安だから協力してくれとイナハルに説明する。
「そうか・・・。わかった。ならこの老骨、好きに使うといい」
「すまないイナハル。かなり助かる」
「なーにが助かるだ。ワシはただの保険だろうが。それに病み上がりをあてにするほどそのガスタって奴らは強いのか?」
「多分な。だからこそイナハルのような後を任せられる人物がいて欲しいんだよ」
アルダスはイナハルに感謝し、一度会話をやめて病室から退出する。