ビースト起動
「カァァァァァァァ!」
「ふっ。確かにビーストだな。これじゃアワリオは手こずるわけだ。さてどうしようか」
ダーランマがバウラムビーストの前で悩んでいるとアワリオの部下の研究員がダーランマのもとまで寄ってくる。
「ダーランマ様!このようなところに来てはいけません。あなたでもこいつを抑えられるかどうか・・・」
「大丈夫だ。それよりお前たちこいつの鎖を解け」
えっ?と研究員はダーランマの言ったことに耳を疑う。
「そんなあなた様に傷を負わせたとなれば我々にかなりの非がありますのでそんなことはできません」
「大丈夫だと言っただろう。それとも貴様私を信用していないのか?」
「いえ、そんなことはないんですがあなた様にもしものことがあれば」
「いいからやつの鎖を解け。そして貴様ら一度この部屋から出ろ!」
研究員はダーランマの言うことを信じ、バウラムビーストの鎖をといて、研究所の奥の部屋から出て行く。
しかし、鎖からとかれたバウラムビーストの動きは早く、部屋から出て行こうとする研究員に襲いかかる。
「カァァァァァァァ!」
「うわぁぁぁぁ!こっち来るなー」
必死に研究員は逃げるが追いつかれ、研究員はもうダメだと覚悟した。
「お前さん、私がいるのにそんな弱い奴を狙うのかよ。なってないな」
ダーランマは詠唱し、魔法を放つ。
「炎の鉄槌よ。フレイムハンマー!」
バウラムビーストの頭の上に炎の鈍器のようなものが現れ、バウラムビーストの顔を直撃する。
「カァァァァァァァ!」
バウラムビーストは寝転がり、顔についた火を消そうと転がりまくる。
「かっかっか!楽しいな!」
ダーランマが笑うともがいていたバウラムが立ち上がり、ダーランマを攻撃する。
「カァッ!」
バウラムはダーランマを引っ掻く。
「ふっ。こんなもん」
ダーランマは軽くひょいっと右に移動し、バウラムの引っ掻きを避ける。
「自らの重さでつぶれよ。ハイグラビティ!」
ダーランマは魔法を放つとバウラムの周り一帯に重力がのしかかり、バウラムは身動きが取れずもがく。
「カァァァァァァァ!」
「うるさいな。少しは黙れよな」
ダーランマは一歩一歩とバウラムのもとに近づく。
「さて、話をしようか。お前さんが私の指示に従うならこの魔法を解こう。ただ暴れるのも疲れたろ?私がお前の道を示してやる。だから私に従え」
バウラムの前で腰を下ろし、答えを待つ。
バウラムはダーランマに唾を吐き飛ばす。
「カァッ!」
ぺっ!
「これはやりがいがあるな。さてどこまで耐えられるかなと・・・ん?」
ピピビピピ!
ダーランマの懐の機械がなる。