表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で目立ちたい!  作者: 紫 ヤタガラス
第二幕 10章 ガイアラーの森編
239/503

逃亡の理人

サポートマンに逃がしてもらった理人は後ろのことを考えずただひたすら逃げることだけを考えて走る。


「こんな、こんな。俺は敵前逃亡なんてしたくはなかったのに。くそくそくそ!」


理人は走りながら叫んでいた。

それで気絶していたマリアルの意識が戻る。


「ここは・・・?父さんは?吸血鬼は?」


「意識が戻ったか。お前の父さん、ヴラドリオは吸血鬼に身体を乗っ取られたままだ」


マリアルはそれを聞いた時、理人の身体を思いっきり揺さぶる。


「な!揺らすな!落としてしまうだろうが」


「降ろして!降ろさないなら揺さぶるのをやめない」


「ダメだ!安全なところに向かうまではお前は降ろさない。サポートマンとの約束だ」


マリアルは泣き脅しで理人に頼む。


「お願いだから止まって。私は父さんを助けなきゃ。もしくはまた吸血鬼の器になって父さんを解放してもらわなきゃ」


「ヴラドリオは・・・お前の父さんはそんなこと望んでいないはず。今は逃げるんだそして逃げてから考えよう」


「逃げてから考えるって何を考えるの?私は父さんに迷惑ばかりかけている。だから吸血鬼のことでさらに迷惑をかけたくはなかった。私はあのまま父さんに殺されて入ればそれで本望だった」


理人はそんなことを言うマリアルを一度降ろす。


「やっと分かってくれたの・・・」


ビタン!


理人はマリアルの頬をビンタする。


「な!女性に手をあげるだなんてそれでもあなた男なの!」


マリアルは理人に怒りをぶつけた。


「お前がわがままばかり言うからだ。まだ言うのなら俺は分かってくれるまで君の頬を叩きづける!」


「誰が女性に手をあげる奴の言うことなんか・・・」


ビタン!ビタン!


理人はまたマリアルの頬を叩く。


「暴力で従わせようなんて最低ね!」


「なんとでも言え。俺はサポートマンとの約束を守るためなら心を鬼にする」


理人が本気の目でマリアルに言ったのでマリアルはこれ以上ビンタを喰らいたくなかったから、理人に従うことにした。


「本当に後で父さんを救う方法を考えてくれるんだよね」


「当たり前だ。俺だってヴラドリオには借りがあるし、吸血鬼を倒したとなればきっと皇国から賞賛される。まぁ賞賛の方は今はついでだがな。とりあえず今は逃げるぞ」


理人はマリアルをもう一度おんぶするために腰を降ろす。


「大丈夫。もう1人で歩けるから」


「ダメだ。さっき吸血鬼と戦ってしばらく意識がなかったんだ。それにお前は吸血鬼に身体を乗っ取られていたからあまり今は感覚がないだろう?」


確かに痛みなどは普通に感じ、少し歩くのがふらふらなマリアル。


「わかった。じゃお願いするわ」


マリアルはまた理人の背中に乗り、理人は森の中を走る。


「よし、まずは俺の仲間のカルナクたちを探そう。あいつらが吸血鬼にあってなければいいが・・・」


そう思いながら走る理人だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ